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創業者が語る100億ドルを投じた米デルの事業戦略--包括性や拡張性で競合に対抗 - (page 2)

末岡洋子

2013-08-29 14:05

レガシーを持たない強み

 Dellは今回のイベントにあたって、事業領域を4つの分野に再分類している――インフラ変革、コネクト(モバイル)、情報活用、保護(セキュリティ)の4つだ。

 1つ目のインフラ変革は、クラウドへのマイグレーション、アプリケーションの刷新、メインフレームからモダンでアジャイルな環境への移行、プライベート/ハイブリットクラウド戦略などだ。ここでの強みは、標準ベースのアーキテクチャ。「われわれはレガシーシステムをもたない。標準ベースの拡張性のあるサービスを提供できる」とDell氏は話す。顧客にとっては低コストを意味する。

 Dellはイベントの前日の26日、スモールオフィス向けのサーバ「PowerEdge T20 Server」を発表した。コンパクトなシャーシに大規模なストレージと性能を詰め込んだサーバで、消費電力の効率化、静電力も特徴という。Dell氏は「PowerEdgeは12世代となった。この間顧客のインプットを蓄積して、改善してきた」と述べる。結果は出ている。「中国、北米、アジア太平洋地区でシェアはナンバーワン、世界でも1位との差を縮小している」と胸を張った。

 サーバについては、「仮想化が進むデータセンターで、サーバは中心的な存在になる」と述べ、これまで以上に重要になるとの見通しを示した。なお、会期中ネットワークスイッチ「Dell Networking S6000」も発表した。10/40ギガビットイーサネット(GbE)に対応、1Uの高密度設計を特徴とし、仮想化環境向けに適しているという。外気を利用するFresh Air冷却技術により、50%の消費電力削減も見込めるとした。

 個々の製品の優位性だけでなく、「これらの製品にフラッシュメモリなどの新技術を追加して仮想化を進めることで、効率化の高いデータセンターを構築できる」とDell氏は言う。「イノベーションは製品を組み合わせたときに起こる」

 新製品に加えて、先に発表したサーバ、ストレージ、ネットワークの機能を組み込んだ垂直統合型システム製品「Dell PowerEdge VRTX」もイノベーションの一例として紹介した。


Michael Dell氏。後ろにあるのはVRTX。株式非公開化計画については、1カ月後に株主投票が予定されている

PCは引き続き重要

 2番目のコネクトでは、スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末が中心だが、Dellの原点であるPCについても「今後も大切だと強く信じている」とこだわりを隠さない。DellではPCを「生産性事業の一部」と見ており、「時代にあった機能を持つ適切な製品を揃えるよう投資を継続する」と述べる。PCはタブレットやワークステーションと種類が増え、データセンターの仮想サーバと同じように今後は仮想PCが重要になる、との見解も示した。

 Dellは26日、ビジネス向けノートPCライン「Latitude」で7000、5000、3000と3シリーズ6機種を発表、タッチ画面にCorning Gorilla Glass NBTを用いるなど強固なハードウェア、ソフトウェア資産を活用したセキュリティ機能と管理機能の統合などを特徴とする。

 3番目の情報活用は、増大の一途をたどるデータに対し、価値を引き出すためのサービスだ。データの量は18カ月で倍増しているといわれるが、「データをリアルタイムに活用して意思決定に役立てているかとなると、まだまだ」とDell氏。「ビックデータからはビックな結果を得なければならない」と続ける。

 4番目の保護はセキュリティ対策で、Dell氏によると「顧客の最優先事項」という。Dellはこの分野でSonicWALLなど多数の企業を買収しており、10億ドル規模のセキュリティ事業を構築しているという。データ暗号化、マルウェア対策、仮想私設網(VPN)、ファイアウォールなどのセキュリティに加え、IDやアクセス管理も揃えており、これらを全面支援するのがサポートだ。

 Dellのセキュリティサポートは毎日500億件のセキュリティイベントを検出しており、金融機関やEコマース企業などを脅威から保護しているという。「デバイスからネットワーク、データセンター、アプリケーション、クラウドまで包括的で相互に連携する」とセキュリティ戦略を表現した。

 Dellが事業として定義しているインフラ変革、コネクト(モバイル)、情報活用、保護(セキュリティ)の4つは、最高情報責任者(CIO)や最高財務責任者(CFO)の懸念や課題をもとにしたものだ。「Dellにはこれに対応するサービスがある」とDell氏は説明する。その例として、大手では英系金融機関Barclays、中堅中小企業(SMB)では中国のTAGALを紹介した。

 Barclaysはモバイル決済サービス「Pingit」、それにモバイルバンキングサービスに、サーバ「PowerEdge-C」をはじめ、ストレージ「Compellent」、スイッチ「Force10」などのDell製品を導入して需要に応じているという。TAGALは統合基幹業務システム(ERP)のインフラ刷新にあたって「PowerEdge R910」などのサーバ、ストレージなどを導入した。この結果、性能は2倍に改善しつつ20%の総所有コスト(TCO)削減にに成功したという。同社はドイツのThyssenKruppと中国のAngang Groupの合弁会社で、合併にあたって効率のよい管理システムが最大の課題だったという。「ITはツール。日常のマネジメントに統合してこそ意味がある」とステージに登場した同社CEOのSun Yu氏は述べた。

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