KVH、企業向けクラウドストレージ提供--ファイルとブロックに対応

三浦優子 2013年08月30日 15時02分

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 KVHは、クラウドでブロックストレージなどを提供する米Zadara Storage(ザダーラ・ストレージ)と提携し、KVHとAmazon Web Services(AWS)のユーザー企業向けにストレージサービス「Virtual Private Storage Array(VPSA)」を9月17日から提供する。

 ZadaraはストレージやRAID、仮想化、ネットワーク、SANなどを提供しており、東芝から300万ドルの出資を受けている。VPSAは「各クラウドユーザーによる独立したストレージ管理が可能。アクセスとパフォーマンスが完全に分離することでパフォーマンスの高さを実現しながら、インフラを共有するといったコスト削減で共有型サービスと同程度の低価格でサービスを提供できるのが特長」(Zadara Storage ビジネス開発バイスプレジデント Noam Shendar氏)という。


Zadara Storage ビジネス開発バイスプレジデント Noam Shendar氏

KVH プロダクト・マネージメント部 執行役員 柏木街史氏

 KVHは、高性能なストレージサービスを低価格で提供できることから、Zadaraとの提携を決定した。KVHが予定しているデータセンターエコシステム戦略の第1弾としてサービスを提供する。今後は「DaaSやIaaS、プライベートクラウドなどのサービスをバンドルして提供することも計画している」(KVH プロダクト・マネージメント部 執行役員 柏木街史氏)とサービスの拡充を進める計画だ。

クラウドストレージの課題

 9月17日から提供するVPSAは、専用型データセンターストレージサービスの持つ高いパフォーマンスと安定性、共有型クラウドストレージサービスの持つ高い柔軟性と低コストという、両者のいいとこ取りをしたサービスと表現している。

 VPSAのストレージインターフェースは、ファイルとブロックの2つに対応している。ファイルストレージはCIFSやNFSといったネットワークプロトコルで、ファイルを単位にしたデータにアクセスできる。

 ブロックストレージは、ファイルアクセスよりも高速に転送でき、データはブロック単位で送受信される。コンピュータとストレージはSANで結ばれる。基幹系システムのデータベースはブロックストレージでデータをやり取りする。VPSAはファイルストレージとブロックストレージの両方で使うことができる。

 ストレージインターフェースはファイルとブロックのほかに、オブジェクトストレージがある。AWSの「Amazon Simple Storage Service(S3)」が代表的なオブジェクトストレージ。REST形式のAPIで手軽に利用できる反面、パフォーマンスに不満が多いと言われている。VPSAは、オブジェクトストレージのAmazon S3の代わりとして利用できるといったメリットがある。

 VPSAを提供した背景として、ZadaraのShendar氏は「企業のIT投資におけるクラウド利用の割合はまだ少ない。これはクラウドストレージサービスには解決しなければならない課題点があるからではないか」と解説した。

 Shendar氏が考えるクラウドストレージサービスの主な問題点とは、(1)格納するアプリケーションごとに異なるストレージを用意しなければならない、(2)データ量増加に伴うパフォーマンス低下、(3)データセキュリティへの懸念からクラウドストレージ利用を躊躇するユーザーへの対応、(4)ビッグデータ分析に利用する際には全データにアクセスできる――という4点を挙げた。

 そこでZadaraでは、定義コントローラ性能、キャッシュ量、ドライブタイプ、RAIDタイプ、低遅延、ビルトインの性能監視、専有ドライブ、複数のアベイラビリティゾーンからのアクセス、2Tバイト以上の大容量ボリューム、ブロックボリュームといった機能をすべて可能にした。データは暗号化され、暗号鍵はユーザー側で持つことでデータのセキュリティを確保。料金は時間単位で1時間から利用可能とするなど、余分なコストを払わないで済む体系としている。

 「データベースにとっては必須となる一貫したパフォーマンスと高い可用性を、従来型とNoSQLの両方で提供。他社にはないアプリケーションクラスタリング機能、ドライブタイプ、RAIDレベル、共有ストレージの選択ができる高いストレージコントロール機能などを実現している」(Shendar氏)

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