致命的なシステム障害を切り抜ける10のステップ

Scott Matteson (Special to TechRepublic) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2013-09-18 07:30

 どんなITプロフェッショナルでも、こんな経験をしたことがあるはずだ。あなたがサポートしており、会社が依存しているシステムがダウンして、使えなくなった。それが電子メールであれ、インターネット接続であれ、電話システムであれ、あるいは倉庫で使用している出荷プログラムであれ、それは組織にとって必要不可欠なシステムであり、それを直すのはあなたの手に掛かっている。この記事では、その必要不可欠なシステムのことを「OMG」と呼ぶことにする。なぜなら、そのときあなたは心の中で「Oh My God!(何ということだ!)」と叫んでいるに違いないからだ。

 胃の奥に感じるあの沈みゆくような感覚は、言葉には表せない。突然、普段ストレスに感じていたことなど何でもないように思え始める。会計担当の派遣社員が忘れたパスワードを5回リセットすることなど、晴れた日のピクニックのように感じられるし、ウイルスにやられたCEOのノートPCを直すことなど平穏そのものに思えるはずだ。


 致命的なシステム障害にどう対処するかが、あなたの職業人生の分かれ道になる。歯医者の椅子に座ってから最初の数分間(あるいは数時間)はおそらく一番不愉快な時間だろうが、そこでどう反応するかで、ヒーローになるか、生け贄になるかが決まる。ここでは、すべてが終わった時にヒーローになるための10のステップを説明しよう。

1.あわてるな

 分かる人には分かるだろうが、これは英作家Douglas Adams氏の著書から取ったフレーズだ。しかし、どこにでも当てはまる言葉でもある。問題を起こしてしまったときに最悪の対応は、トラブルの大きさにくよくよして時間を無駄にしたり、他の人をいらだたせたりすることだ。これが自分のキャリアの終わりになるかもしれないと考えて茫然自失してしまうのも分かるが、今はそんなことを心配している暇はない。そのときできるのは、問題を正すことだけであり、そのためには感情的にならず、技術的な問題に集中する必要がある。そんなときは、それは生死がかかっているような問題ではないということを思い出して欲しい(もちろん、サポートしているのが医学上の緊急事態が起こるリスクのある、患者を抱えている病院ではない場合の話だ。そんな場合には、なおさら落ち着くことが重要になる)。心配するのは後回しだ。

 今ほど集中力が必要な時はない。恐怖を感じるのは後にして、その場の現実に対応するしかない。あなたは動かないものを動かさなくてはならないのだ。

2.万策を尽くしてユーザーに通知する

 OMGがダウンしていることを、何としてもユーザー(および上司)に知らせる必要がある。もちろん、主な通信手段(例えば電子メール)自体がOMGであれば、このシナリオでは、電子メールで全社に伝えるという手段は使えない。そんな場合は、インスタントメッセージを使えばいい。あるいは、各部門長に電話して、部下に伝えるように頼んでもいいだろう。同僚を足を使って走らせて、知らせて回る方法もある。「○時○分、OMGがダウンしています。現在対応中」という貼り紙をすることも考えられる。 とにかく、いろんな人が自分のブースにやってきては、「OMGって今落ちてる?」「OMGが動かないの、把握してる?」などと言ってくる事態は避けなくてはならない。腕まくりをして火消しをしているべき時に、何度も同じ受け答えをして疲弊している暇はない。

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