しかし、モバイル機器や古いデスクトップの場合は、ハードウェアとソフトウェアのアップグレードが必要なケースが多く、それらをインストールする手間もかかることを考えると、古いものを使うよりも新しいものと交換するほうが賢い選択だろう。新しいハードウェアは、一般に維持管理も簡単で安価に行うことができ、古いPCよりも安全な場合が多い。また、古いPCは今後故障する可能性が高い上に、交換部品が見つけにくく、高くつく可能性が高い。
しかし、交換できるだけの余裕がない場合はどうしたらいいのだろうか?以下では、XPをすぐには捨てられない場合に考慮すべき3つの方策を挙げる。
ネットワークから切り離す
ある読者は先日、カスタマイズしたオーディオミキサーソフトを使っているため、Windows XPから切り替えるという選択肢はないのだという話を聞かせてくれた。そのソフトウェアをアップグレードすることはできず、代わりになるプログラムもなく、そのソフトウェアはオーディオハードウェアに直接アクセスする必要があるため、仮想マシンで動かすこともできないのだという。過去に私は、Windows XPでしかデバイスドライバが手に入らないスキャナやカスタムプリンタなどの周辺機器を使っている人から、似た話を聞いたことがある。
どうしても必要なプログラムやデバイスがあり、アップグレードや交換できない事情があるのなら、最善の解決方法は、そのPCをネットワークから切り離し、攻撃から隔離することだ。インターネットから切り離してしまえば、メールやウェブの閲覧には使えなくなるが、悪質なソフトウェアにさらされたり、ネットワークからの侵入に遭う可能性もなくなる。
リムーバブルメディアを(慎重に)使えば、隔離されたXPマシンと他のマシンの間で、ファイルをやりとりすることはできる。もしそのXPのマシンを維持している理由が、その1つだけなのであれば、その目的専用にしてしまえばよい。
問題のアプリを仮想化する
一部の古いアプリはWindows 7では動作せず、極端なケースでは、互換性のないアプリはインストールすらできない。市販のアプリケーションであれば、アップグレードが提供されているか、代わりのソフトウェアが見つかるのが普通だ。
しかし、特に企業の環境では、独自の業務アプリケーションが大きな問題になる場合がある。そのようなソフトウェアは、アップデートするには大きなコストがかかったり、さらに悪いことに、作成者がとうに組織を去っていて、誰も中身がどうなっているのかわからないという場合もあり得る。