UDAをクラウドに
Teradata Cloudは3つに分けられている。10月21日から米国内で利用できるようになったのが、Teradata DBをクラウドにのせる「Data Warehouse as a Service(DWaaS)」。そして「Discovery as a Service(Diaas)」と「Data Management as a Service(DMaaS)」は2014年上半期から提供される予定となっている。これらのサービスはいずれも従量課金体系で利用できるという。
このTeradata Cloudは、先に挙げたUDAをそのままクラウドに上げたとも表現できる。DWaaSはTeradata DBであり、DiaasはAsterであり、DMaaSはHadoopだからだ。
DWaaSはクラウドのTeradata DBにデータをのせてBIツールやアナリティクスアプリケーションで分析したり、マーケティングツールで販売促進施策を検討できたりできる。Diaasは、クラウドにあるAsterでSQL文で非構造化データも分析できるようになる。DMaaSは、データをためておいたり、データを分析しやすいように変換できたりできる。
Teradata Cloudは、これまでTeradata製品の導入をためらってきたユーザー企業にメリットになると指摘できる。オンプレミスでの導入が前提だったTeradata DBなどのソフトウェアを従量課金で利用できるようになるからだ。クラウドのメリットであるスモールスタートで始められるというメリットを生かすことができる。
Teradataでは、Teradata Cloudについてコンサルティングサービスやエンハンスドサービスなども提供する。コンサルティングサービスは、既存のデータベースからの移行、データベースの管理、データの品質管理、BIツールからのアクセスなどをコンサルティングする。エンハンスドサービスでは、法規制、米国でいえばHIPPAやSOXなどが求めるデータに対するセキュリティなどに対応できるように支援してくれるという。
ビッグデータは破壊的
イベント2日目となる米国時間10月21日の基調講演に立ったTeradata社長兼最高経営責任者(CEO)のMichael Koehler氏は、ビッグデータについて「(企業にとって)オプションではない。勝つための必要な要件となっている」という言葉で重要性を指摘した。「ビッグデータは破壊的であり、その中からどうやって価値を引き出すかが重要」と解説した。
Koehler氏は「すべてのデータを統合しなければならない。すべてのデータはUDAで分析できるようになっている。データを分析する最大のテーマがマーケティングだ。ビッグデータから得たマーケティングは新しいやり方をもたらす」とマーケティングの重要性も強調した。
ビッグデータは破壊的であるというKoehler氏は、ビッグデータという衝撃は、組織の在り方も変える必要があると提言する。「IT部門とビジネス部門の関係、マーケティング部門とIT部門の関係。これらの組織はこれまでと同様であってはならない」。Koehler氏は将来を見通して「データウェアハウスとビッグデータ分析、統合マーケティングは今後4年間で投資が増える」と語り、これらの分野で同社のプライオリティがあると強調した。

イベントの基調講演に立つMichael Koehler氏