CA Technologies(CA)は10月22日、業務アプリケーションやメインフレームのサービスを仮想化してテストを行うテストツールの新版「CA LISA Service Virtualization 7.1」日本語版の出荷を開始した。新版では、SAP対応やメインフレーム対応の強化、Javaエージェントの機能強化などを実施した。サービス仮想化によるテスト工程の効率化で、企業のDevOpsに向けた取り組みを加速させるとしている。
LISAは、業務アプリケーション開発におけるテストにおいて、サービスを仮想化することで、テスト工程を効率化するツール。Service Oriented Architecture(SOA)やクラウドの利用が進んだことでシステムが複雑化し、テストスタブ作成がコスト増を招いたり、スタブの振る舞いが実際とは異なるケースが増えた。
そこで、スタブを作成せずにサービスを仮想化してテストを実施することで、テスト工程の効率化を図る。SOAに基づいたシステムが一般的な米国では、「サービス仮想化」ソリューションとして広まっており、近年では、DevOps推進のための重要な構成要素の1つにもなっているという。
LISA事業部 事業部長 佐藤輝幸氏
LISA事業部 事業部長 佐藤輝幸氏によると、LISAの特徴は、実トランザクションをキャプチャしてふるまいを模擬する仮想サービスを自動的に生成できること、マルチスレッドで仮想サービスが実行できること、テストシナリオを定義し自動的にテストができることなど。
製品としては、サービス仮想化の開発ツール「LISA Workstation」、仮想サービスの実行サーバ「LISA Virtual Servcie Environment」、テストシナリオを実行サーバ「LISA Simulation Server」などで構成される。
「CAではDevOpsを、ビジネスニーズに応じてプラン、開発、運用というライフサイクルを安全に速やかに回すことと考えている。アジャイル開発など開発工程では効率化が進められているが、テスト工程では効率化は手つかずな状態だ。その原因となっているのが複雑なIT環境がもたらすさまざまな制約だ。LISAはそうした制約を解消することを目指す」(佐藤氏)
制約というのは、メインフレームなどの常時稼動するミッションクリティカルシステムではテスト時間を自由に設定できないことや、並行開発する未完成なシステムではそもそもテストが実施できないこと、クラウド環境を利用する場合はアクセスごとに課金が発生して十分なテストが実施できないことなどだという。こうした制約は、スタブ開発のコスト増やアプリケーションのデリバリの遅れ、工数の超過、さらにはビジネスの機会損失にもつながる。