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SAPのクラウド戦略を大きく変えたSuccessFactorsのCTOが語るPaaSの重要性 - (page 3)

大川淳

2013-10-31 07:30

--柔軟性のあるクラウドがもたらす価値とはどのようなものか?

 われわれの強みは、プラットフォーム自体がクラウドであり、ゼロから何かを開発する必要はないということだ。例えば、ネットワーキングランチは以前からあったが、Onboardingとは別のところにあった。そこで、クラウドにより両者を統合した。初めから作り変えるのではなくて、既存のアプリケーションと統合できるのが優れた点だ。既存のアプリケーションを使いたいのだが、国ごとの文化、ニーズに適合しなけれならないところにハードルがあるといった場合、当社の発想を用いればそれらの要件に応じ、組み合わせて使うことが可能だ。

 各国ごと、コアのHR(Human Resources)機能をつくる上で要求される仕様を考えると、コンプライアンスなどはそれぞれ異なる。例えば欧州では、コアのHRのソリューションでいえば製造業の場合、健康面、安全性などが特別に必要となる。当然、それらの項目に関連する法律は国ごとにまちまちだ。しかし、クラウドにより同じプラットフォームの活用が可能になる。各国の状況に応じた拡張によって、それぞれの国の従業者はクラウドにアクセスできる。

 顧客は、これまでに投資を継続している資産を持っている。クラウドにより既存の資産も新しい要素と統合して利用できる点が重要になる。新たな要件が発生した際、プラットフォームの拡張で迅速に適用できる。日本企業が海外企業を買収、合併したとすると、買収した企業がある国の法令に準拠しなければならない。だが、このプラットフォームはコアのアプリケーションはそのままにして、その要件に合わせた拡張ができ、迅速な対応が可能だ。

 多くの企業がクラウドやソリューションを導入することには、イノベーションを加速させたいとの理由がある。ナンバーワンのクラウドのアプリケーションを用いた場合、そのままでは企業が抱える固有の要件を100%満たせない。従来、企業はクラウドへの移行でいくつかの機能を利用することを断念せざるを得ないこともあった。しかしSAPが提案している今回のクラウドであれば、そのようなことはなくなる。

「中身」を変えなくても、細かい要求への対応は可能

--1年後SAPのクラウドはどう変貌するか?

 まず、SAPがSuccessFactorsを買収した理由を述べたい。SuccessFactorsからすれば、HANAのプラットフォーム、インメモリなど最新の技術を活用できることが利点だ。SuccessFactors単独では、それらの技術を開発できるだけの資源はなかった。SAP側からみると、SuccessFactorsの展開するクラウドは非常に迅速性が高かったことを評価した。

 このモデルを活用することにより、変化の速いこの分野で、事業活動を加速できるようになることが、大きな利点だった。今後1年で加速化されたイノベーション、コアのプラットフォームが生み出すイノベーションが現れてくるだろう。クラウドの強みは、スケールアップとイノベーションが速いことだが、カスタマイズしづらいことは短所だといえる。

 SAPのプラットフォームは、そのギャップを埋めることができる。コアはカスタマイズしないで、変わらないまま固有のニーズに合わせた拡張ができることが大きな特徴であり、長所だ。

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