大元隆志のワークシフト論

アラフォー社員が考えるべき4つの働き方(前編) - (page 2)

大元隆志(ITビジネスアナリスト)

2013-11-27 07:30

 ある日突然「同期が社長になる」――ヤフーの光景は他人事ではない。日本の多くの企業は社長の高齢化や後継者不足に頭を悩ませている。帝国データバンクの調査によると、1990年の企業の社長の年齢は40歳以上60歳未満が63.2%、60歳以上は29.8%だった。

 これが2012年には60歳以上が51.8%へ大幅に増加している。社長の平均年齢も1990年の54歳から2012年には58.7歳へと上昇しており、社長の高齢化が数値で示されている。企業の社長交代率は3.61%と低く、社長交代は進んでいない。

 これは、裏を返せば「いつ社長が若返ってもおかしくない」状況であるとも言える。近年、ビジネス環境の変化の速度は日増しに早くなっている。

 収益構造を維持することが難しくなり、どこの企業も新たな収益源を確保するための、新規事業開拓の重要性を認識し始めている。

 経済がグローバル化する中で競争はさらに厳しさを増し、企業を率いる社長には新たな時代を切り開く気力や体力も必要となる。

 加えてスマートデバイスやソーシャルメディアなどの活用についても判断力が求められる。年を追うごとに次の世代へとバトンを渡す期待(あるいは圧力)は社内外から強まっていくだろう。

 社長が次の世代へバトンを渡す時、つまり会社が若返りを図る時、その時点で役職のない「一般社員」のアラフォー社員は「一生平社員」を定年まで過ごす覚悟が求められる。

 具体的には40歳課長、50歳部長が「会社の昇進ライン」に乗っているかを判断する1つの基準だ。このラインに乗っていなければ「燃え尽きる」というよりは強制的に「出世を諦める」ことが求められるようになる。

減少する管理職ポスト


減少する管理職ポスト減少する管理職ポスト(出典:リクルートワークス研究所)

 幸か不幸か、企業が若返りを試みなかったとしよう。それでも管理職への道が狭き門であることは変わらない。リクルートワークス研究所の調査によれば2000年には205万あった管理職ポストが2020年には147万へと減少するという。さらには安倍政権の「女性活用」の掛け声によって、ただでさえ減少傾向の管理職ポストを女性と奪い合うことになる。

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