野村総合研究所(NRI)は11月27日、2018年度までのデータセンターやSaaS、M2Mなどを含む「ネットワーク市場」ついて動向分析と規模の予測を発表した。M2M市場が大きく成長し、データセンターや情報セキュリティ、SaaSなどが堅調。法人ネットワークが縮小し、携帯電話回線、モバイルデータ通信なども市場は小さくなる。
2013~2018年度(もしくは年)の間の年平均成長率を表す
NRIは携帯端末の増加などで通信量が増大、ネットワークの負荷が高まることへの対策として、投資の必要性が高まると指摘した。データセンター市場の予測に反映されており、2013年の市場規模は9470億円、2014年は1兆58億円、2018年には1兆3033億円と年平均成長率(CAGR)6.6%を見込む。
また、情報セキュリティ市場も2013年の市場規模は4914億円、2014年は5220億円、2018年には6558億円、CAGR5.9%と堅調に推移すると予測する。SaaS、ASPの市場も2013年の市場規模は3948億円、2014年は4535億円、2018年は7333億円、CAGR13.2%と大きく成長する予測を出した。
国内の通信事業者は、縮小する既存市場への投資と、成長を求めた海外市場への展開、電力などの社会インフラ、モノ(機械)同士が通信するM2Mといった新たな市場の開拓との間でどのような方針を打ち出すかが課題とした。実際にM2Mの2013年の市場規模は2377億円2014年の市場規模は3445億円2018年には1兆1704億円、CAGR37.6%と大幅な拡大を予測した。
一方、縮小する市場として法人ネットワークを挙げ、2013年は7906億、2014年に7736億、2018年は7098億と、CAGRマイナス2.1%と予測した。このほか、携帯電話回線、モバイルデータ通信なども2018年までのCAGRはマイナス0.2程度とした。