日本IBMは12月2日、広島市で「IBMリーダーズ・フォーラム 2013 西日本」を開催した。
同フォーラムは「成長への挑戦-テクノロジが支える進化する経営」をテーマに、日本IBMの社長、Martin Jetter氏をはじめとする幹部と、西日本地域のリーダーとが論議する場と位置づけており、パネルディスカッションでは、ジャーナリストの蟹瀬誠一氏をモデレーターに、中国経済連合会の山下隆会長(=中国電力会長)、マツダの金井誠太代表取締役副会長、日本IBMのシステム製品事業担当の三瓶雅夫専務執行役員がパネラーとして参加し、「Sustainable Growth ~成長におけるチャンスとリスク~」と題して意見を交換した。
講演では、東芝クラウド&ソリューション ICT クラウドサービス推進部クラウドサービス商品企画・技術部の水原徹部長と、日本IBMの取締役副社長執行役員、下野雅承氏が「進化する経営を支えるテクノロジー」をテーマにクラド戦略について語った。
IBMリーダーズ・フォーラム西日本の開催は今回で3回目。過去2回は福岡で開催しており、広島での開催は初となった。中国と四国地方の地元企業の経営者など、約150人が参加した。
西日本支社、岡崎高支社長
西日本支社、岡崎高支社長は、「広島での開催は初めて。成長におけるチャンスとリスクについて考察できればと考えている」とし、「今回のフォーラムを通じて、参加者が感じていることを受け止めることができたのではないか。今後の地域活性化に向けて生かしていきたい」とした。
冒頭、挨拶した日本IBM 代表取締役社長のJetter氏は、「日本IBMは古くから、広島に進出している実績がある。この地域の成長に向けてお手伝いしたい」と切り出し、「西日本地区では、瀬戸内、北九州でのスマーターシティプロジェクトや、高知や鳥取では、病院の変革を進めるなど、最新技術を活用した取り組みが行われている」と、西日本地域での協業成果について紹介した。
日本IBM 代表取締役社長のJetter氏
また、「データは新たな天然資源であり、天然資源を持たない国にとってはデータの活用が重要な意味を持つ」としながら、「スマートな企業になるためには、豊富な情報を利用して意思決定を行うためのアナリティクスの活用、モノづくりをはじめとする企業活動全般におけるインテリジェンスの活用とともに、ITとアナリティクスを活用することで、セグメントに対する提案ではなく、個に対する提案を行う必要があると言える。これは平均化した時代の終わりでもある。予測型のアナリティクスを活用することで、あらゆる行動の中に、情報を活用しなくてはならない時代が訪れる」と語る。
続けて、「この結果、企業の土台は大きく変わることになる。そして、技術の土台が変化し、文化や社風、リーダーシップといったものが変わることになる。私は、IBMに30年間勤続しているが、30年前に世の中に大きなインパクトを与えた技術は今はない。新入社員はそんな技術は知らない。それぐらい世の中は変化している。常に進化すること、改革することが、企業のリーダーに求められる要件である」と述べ、「私が描く未来は、楽しいものである。新たな進化や改革は、日本の力を増強させるために必要なものである」と、変革の重要性を強調した。