アジアのIT

アジアの公共セクター向け情報システムに「カイゼン」を - (page 3)

Enterprise Innovation日本版

2013-12-10 07:00

 米国では「Federal IT Shared Services Strategy(連邦IT共有サービス戦略)」を発表した行政管理予算局(OMB)が、同様のコンセプトを採用している。同局では、ROIの向上や、無駄と重複業務の排除、情報システムの効率性向上を目指している。この目標を達成する主要な手段の1つに、300ある同局の傘下組織すべてを対象にした「Common Approach to Federal Enterprise Architecture(連邦エンタープライズアーキテクチャへの共通アプローチ)」の導入がある。このアプローチは、限られたリソースの中で、顧客による需要増に直面する組織に、次世代のITリソースと共有サービスの設計に向けた、機敏かつ標準化されたメソッドやツールを提供する。

 採算の取れない公共セクターが次々と廃止される状況も、多くの政府機関がこれまで以上に高いレベルの運営責任を果たすため、技術導入を進める中では当然だ。オープンソースの利点が無視できなくなった背景には、そのような事情がある。過去数年間に、世界各地の公共セクターの考え方が大きく変化したことも、驚くに当たらない。オープンソースに関する会話は、しばらく前まで「使っても安全なのか」という内容だったが、今では「予算を最大に生かすにはどうしたらいいか」に変わって来ている。

 シンガポール政府は、市民生活や企業のビジネス環境をより良くする技術導入に関して、常に先進的であり続けてきた。オープンソースの優れたコスト効率性と機敏性、シンガポール政府の継続的な改善の姿勢を併せて考えれば、シンガポールの各政府機関でも、オープンソースが主流になるのは時間の問題だ。

 オープンソースは、地方政府機関にとって、予算を活用するだけでなく、機敏性を維持し、革新的なサービスを市民に提供し続けるためのプラットフォームだ。政府によるオープンソース導入は、公共セクターの情報システムへの「カイゼン」アプローチと言えるかもしれない。

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