繊維機械メーカーの津田駒工業(金沢市)は、社内外から基幹業務アプリケーションへアクセスする際に活用しているクライアント仮想化環境を刷新した。製品を提供したアシストが1月7日に発表した。
津田駒工業では、販売、技術、生産、品質保証の各部門に加えて関連会社も活用する基幹業務アプリケーションとして「Access 2002」を活用、これまでに機能を拡張し続けている。このアプリケーションはデータベースとの通信量が膨大で、ローカルで利用するには性能上の課題があったため、以前から仮想化環境で利用してきた。
2012年にクライアントOSを「Windows XP」から「Windows 7」へ刷新する際、これまで使ってきた仮想化製品がWindows 7に対応しないことから「なるべくコストをかけず、今できていることをWindows 7でもできるようにする」方針で代替となる仮想化製品を検討した。その結果、アシストが提供するクライアント仮想化関連ソフトウェア群「Ericom PowerTerm WebConncet(PTWC)」の採用を決定した。
PTWCは、仮想PCとターミナルサービスなどの方式を混在させたハイブリッド環境に対応するコネクションブローカ。PTWC導入と同時にサーバOSも「Windows Server 2000」から「Windows Server 2008」へ移行した。
PTWCのインストールはウィザード形式の設定だけで完了し、導入から1年経過した現在、従来と変わらない仮想化環境を実現しているという。これまで仮想化環境でなく別の物理環境で稼働していたAccessアプリケーションも新たにPTWCで仮想化。アプリケーションの応答速度が大幅に向上したほか、アプリケーションの公開設定をPTWCサーバ側で一元管理できるようになり、以前よりも展開が楽になったとしている。
PTWCに含まれるソフトウェア「Ericom Blaze」も活用している。Blazeは、ターミナルサービスに使われるプロトコルであるRemote Desktop Protocol(RDP)の伝送性能を改善するRDPアクセラレータ。Blazeの活用でリモートアクセスやWANアクセスでも快適に利用できるようになっているという。