MSバルマーCEO、退任を前に語る--「Longhorn」、その他の後悔

Mary Jo Foley (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子

2014-01-10 07:30

 Microsoftの去りゆく最高経営責任者(CEO)が、企業トップとしての13年に及ぶ同社の舵取りを振り返り、最も後悔していることについて語ってくれた。

 MicrosoftのCEOであるSteve Ballmer氏が2013年8月に辞意を表明した際、筆者はCEO在職期間中における同氏の最大の後悔について尋ねる機会を得た。


 同氏の短い答えは、何度もリリースが延期され、最終的に作り直され、2007年1月に「Windows Vista」として発売されたOS「Longhorn」であった。

 その後、先月になって筆者はFortuneの記事を執筆するにあたり、Ballmer氏の13年に及ぶCEO時代における決定的瞬間について同氏と語り合う機会を得たが、その場でもLonghornが話題にのぼった。その時に同氏は、Longhornが自らのCEO時代の中でも良かった時期における、4つの決定的瞬間のうちの1つであるとの考えを示した(他の3つは何なのかと思った方のために書いておくと、それらは未解決となっていた法的な問題の解決と、新たな業務部門構造の構築[同社が「One Microsoft」という旗印の下で実施した2013年7月の組織再編]、創業者であるBill Gates氏が2000年に最高ソフトウェアアーキテクト(CSA)となった際の同氏との仕事上の関係の再構築である)。

 2013年11月末、ワシントン州レドモンドにあるBallmer氏のオフィスに招かれて行ったインタビューにおいて、同氏は筆者に「振り返ってみて言えること、うん、その時に感じていたのは、私のCEO時代だけでなく、Microsoft在職期間を通じても、『LonghornをVistaにする』という決定は最も悔いが残るものであったのは間違いないということだ。これが私のしでかした最も大きな過ちだった」と語った。

 「なぜかって?この製品が素晴らしいものでなかったという点だけでなく、出荷までに5年も6年もかかったという点を思い出してほしい。次は、そういった問題を改善しなければならなかった。その結果が『Windows 7』だったと言っていいだろう」(Ballmer氏)

 同氏は「そして結果的に、Aチームを、いやAチーム全員ではないもののそのなかの最高の人材たちを、7年も8年もの間、縛り付けてしまった。8年かけて何年も先の進歩を生み出すことができなかったし、そういった人材が取り組めたはずの(例えば)携帯電話といった他の作業もあった」と続けた。

 Ballmer氏は、こういった状況に対する責任は同氏自身が負うと述べた。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

自社にとって最大のセキュリティ脅威は何ですか

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]