Microsoftの去りゆく最高経営責任者(CEO)が、企業トップとしての13年に及ぶ同社の舵取りを振り返り、最も後悔していることについて語ってくれた。
MicrosoftのCEOであるSteve Ballmer氏が2013年8月に辞意を表明した際、筆者はCEO在職期間中における同氏の最大の後悔について尋ねる機会を得た。
同氏の短い答えは、何度もリリースが延期され、最終的に作り直され、2007年1月に「Windows Vista」として発売されたOS「Longhorn」であった。
その後、先月になって筆者はFortuneの記事を執筆するにあたり、Ballmer氏の13年に及ぶCEO時代における決定的瞬間について同氏と語り合う機会を得たが、その場でもLonghornが話題にのぼった。その時に同氏は、Longhornが自らのCEO時代の中でも良かった時期における、4つの決定的瞬間のうちの1つであるとの考えを示した(他の3つは何なのかと思った方のために書いておくと、それらは未解決となっていた法的な問題の解決と、新たな業務部門構造の構築[同社が「One Microsoft」という旗印の下で実施した2013年7月の組織再編]、創業者であるBill Gates氏が2000年に最高ソフトウェアアーキテクト(CSA)となった際の同氏との仕事上の関係の再構築である)。
2013年11月末、ワシントン州レドモンドにあるBallmer氏のオフィスに招かれて行ったインタビューにおいて、同氏は筆者に「振り返ってみて言えること、うん、その時に感じていたのは、私のCEO時代だけでなく、Microsoft在職期間を通じても、『LonghornをVistaにする』という決定は最も悔いが残るものであったのは間違いないということだ。これが私のしでかした最も大きな過ちだった」と語った。
「なぜかって?この製品が素晴らしいものでなかったという点だけでなく、出荷までに5年も6年もかかったという点を思い出してほしい。次は、そういった問題を改善しなければならなかった。その結果が『Windows 7』だったと言っていいだろう」(Ballmer氏)
同氏は「そして結果的に、Aチームを、いやAチーム全員ではないもののそのなかの最高の人材たちを、7年も8年もの間、縛り付けてしまった。8年かけて何年も先の進歩を生み出すことができなかったし、そういった人材が取り組めたはずの(例えば)携帯電話といった他の作業もあった」と続けた。
Ballmer氏は、こういった状況に対する責任は同氏自身が負うと述べた。