東芝は、グループ20万の従業員が利用するシステム基盤として、新たにプライベートクラウド環境を構築した。日本オラクルが1月14日に発表した。
プライベートクラウド基盤として採用されたのは、UNIX OS「Oracle Solaris」が稼働する「SPARC T4」サーバ。関東データセンターに9台、関西データセンターに6台、合計15台のクラスタ構成となっている。
これまで東芝グループが使っていたシステム基盤は、2003年に導入されたUNIXサーバ「Sun Fire 15K」「Sun Fire E25K」「Sun Fire E2900」で、東芝グループ各社の人事給与、経理、調達、販売、生産管理、業務支援など100超の基幹システムを統合していた。1台のサーバを複数の領域に区切り、それぞれの領域でOSやアプリケーションを動作させて複数のシステムを構築する技術“ハードウェアパーティショニング”を活用していた。
今回のプライベートクラウド構築では仮想化技術「Oracle VM for SPARC」と「Oracle Solaris Legacy Containers」を活用、既存環境からそのままミドルウェアやアプリケーションを変更することなく各システムを移行して稼働させ、短期間、低コストでのクラウド化を実現させたという。
今回のプライベートクラウド構築とシステム集約で基幹システムの安定運用に加え、統合基幹業務システム(ERP)パッケージ「Oracle E-Business Suite」の応答性能の向上を実現しているという。システムの集約率が従来よりも向上、サーバの運用コストと保守費を約半分に削減、ラックスペースが4分の1になり消費電力や管理コストを削減、といった効果が得られているとしている。