日本オラクルは4月16日、SPARCサーバの新製品として「SPARC T5-1B」「SPARC T5-2」「SPARC T5-4」「SPARC T5-8」のSPARC T5サーバ4機種と「SPARC M5-32」のSPARC M5サーバ1機種を追加した。同日から提供を開始した。
Adrian Jones氏
David Lawler氏
米Oracleで日本とアジア太平洋地域のシステムズセールスを担当するシニアバイスプレジデントのAdrian Jones氏は「SPARCは、400億ドルの売り上げに対して、50億ドルの投資をしている。エンタープライズレベルのニーズに対応できるように進化している。10年以上にわたりSPARCとSolarisとの組み合わせで、これまでにトラブルがなく動いてきたという顧客もいる。さらに、フットプリントや電力問題の解決にも寄与できる」とSPARCサーバの優位性を強調した。米Oracleのシステムズ事業のプロダクトマネジメントを務めるシニアバイスプレジデントのDavid Lawler氏もSPARCについて以下のように力説した。
「これまでのSPARCチップの性能は、Intelのx86やIBMのPowerよりも低いものだったが、この3年間にわたる投資で業界で勝つためのポートフォリオを構築してきた。このプロセッサテクノロジでアプリケーションを最速に走らせることができる。データベースとJavaソフトウェアをハードウェアに組み込むことで、データベースのクエリの高速化、Javaの高速化を実現した。既存のアプリケーションをそのままサポートし、既存の投資を保護する。アプリケーションとの統合にここまで取り組んでいるベンダーはない。われわれは最高のポートフォリオを提供するエンタープライズベンダーになった」
今回の新製品の追加で、SPARC T5サーバは中規模から大規模のアプリケーションにも対応、SPARC M5サーバは可用性が求められるリアルタイム処理アプリケーションなどに活用できるとし、小規模コンピューティングから、基幹システムのプラットフォームまで網羅できるとしている。
SPARC T5を2個搭載するSPARC T5-2
SPARC T5サーバは、中規模コンピューティング向けサーバで、オラクルのデータベースやミドルウェア、業務アプリケーションを高速に実行できるのが特徴。世界最速のマイクロプロセッサというSPARC T5は、16個のプロセッサコアを搭載、最大128スレットを同時並列で実行。クロック周波数は3.6GHz、16コア共有L3キャッシュを48Mバイト搭載しており、SPARC T4に比べて、プロセッサコア数を2倍、クロック周波数を1.2倍に向上しているという。SPARC T5サーバでは、TPC-Cによるデータベースサーバのベンチマーク、SPECjbb 2013によるJavaサーバのベンチマークなど、17個の世界記録を樹立したという。
一方、SPARC M5-32は、大規模コンピューティング環境向けサーバで、前世代のサーバ「SPARC Enterprise M9000」と比較して、処理速度を10倍向上。メインフレーム並に優れたハードウェアドメイン設定やRAS(Reliablity、Availability、Serviceability=信頼性、可用性、保守性)機能を提供するという。