日本オラクルは1月8日、垂直統合型システム「Oracle SPARC SuperCluster」の最新版の提供を開始した。ハードウェアのみの最小構成価格はハーフラックで7500万円(税別)となっている。
最新版では、ストレージコンポーネントとして「Exadata Storage Server X3-2」を搭載。フルラック構成だとExadata Storage Server X3-2を6台搭載し、メモリ容量は合計9.6Tバイト。フラッシュメモリは従来機種と比較して最大4倍となっている。データ処理を高速化する技術「Exadata Smart Flash Cash」でデータの書き込み性能を最大20倍向上させているという。
「Oracle Solaris」の仮想化技術である「Oracle Solaris Zones」で構築された領域内でExadata Storage Server X3-2で稼働するOracle Database(DB)を仮想化して、分離されたデータベースサービスとして展開できるようになっている。SPARC SuperCluster単体に複数のOracle DBとアプリケーションを配備することで、システムの統合とクラウド環境の展開を容易に実行できるとメリットを説明している。アプリケーションの稼働要件の変化に応じてSPARC SuperCluster内に構築された仮想領域間でCPUやメモリなどのリソースを割り当て直すこともできる。
運用管理ツール「Oracle Enterprise Manager Ops Center 12c」にも対応している。複数の管理ツールを使用して、手動でアプリケーションの設定、仮想環境を構築した場合と比較して、複数のアプリケーションをクラウド環境で展開する時間を最大90%短縮できるという。
SPARC SuperClusterはデータベースやミドルウェア、アプリケーションを単一のシステムに統合できるEngineered Systemの製品。UNIXサーバの上位機種「SPARC T4-4」を最大4台搭載、OSとしてSolaris 10かSolaris 11を選択できる。フルラック構成で8コアのRISCプロセッサ「SPARC T4」を最大16個搭載する。
ミドルウェアを高速処理するソフトウェア群の最新版である「Oracle Exalogic Elastic Cloud Software 2.0」に対応。内部の接続には標準規格のInfiniBandを採用している。統合ストレージには「Sun ZFS Storage 7320 Appliance」を事前に統合し、構成を最適化することで、導入期間を短縮できる。同ストレージはデータを圧縮、重複排除する機能も搭載されている。仮想化技術は「Oracle VM for SPARC」も搭載される。