#6:SaaSを用いたクラウド間の相互接続性が重視されるようになる
障害復旧はパブリッククラウド普及の主な原動力となっているが、そのほとんどはミッドレンジからローエンドのアプリの復旧性を向上させたい大企業によるものであり、中小企業は復旧戦略を丸ごとクラウドに任せている。しかし2014年には、クラウドベースの障害復旧がクラウド間の連携に及ぶようになるだろう。第1段階として2014年に、大手のSaaSでクラウド間のバックアップ機能が提供されるようになるはずだ。SaaS市場において大企業は、データ復旧の際にSaaSベンダーから請求される高額な復旧費に(場合によってはサービスの悪さに)悩まされている。BackupifyやSpanningといった企業が提供している初期のソリューションによって、こういったニーズを満たすバックアップソリューションという新たな市場が生まれつつある。これらのソリューションでは、SaaSプロバイダーのもとに保管されている重要なデータの保護を自動化することで、該当データが誤って、あるいは悪意のある他者によって削除された場合でも企業側で復旧できるようになっている。
#7:「Chef」や「Puppet」が商用の自動運用管理ソリューションに取って代わる
パブリッククラウドプラットフォームの普及が進むなか、こうしたオープンソースの自動運用管理ソリューションは、開発者や、開発者に焦点を当てたIT運用(DevOps)チームなどによって推進され、GitHub上の多くを占めるまでになっている。2014年には、これらのソリューションによって作成、文書化され、自動的に複製される新規サーバワークロードの数が、BMC SoftwareやCA Technologies、Hewlett-Packard(HP)、IBMといった企業のものをはじめとするプロプライエタリな自動運用管理ソリューションによるものの合計よりも多くなり、これら企業の売り上げに影響を与えるようになるだろう。サーバ設定を自動化するオープンソースのソリューションは、すぐにクラウドサービスによる自動化アプローチとして当たり前のものとなり、エラスティッククラウドにおけるワークロードの管理で他を圧倒するようになるはずだ。
#8:2014年には、自前の暗号化方式がセキュリティ関連の議論の多くを占める
われわれの元にいるクラウドやセキュリティのアナリストに寄せられてくる照会としては最近、「Amazon Web Services」(AWS)やSalesforce.comにおけるクラウドの暗号化ソリューションに関するものが多くなっている。米国家安全保障局(NSA)のおかげでこのトレンドが作り出されたのだ。クライアントらは、クラウドサービスにデータを引き渡す前に暗号化処理を施すとともに、企業側で暗号鍵を統制するサービスについてアドバイスを求めてきている。暗号化によって多くの犯罪から身を守れるようになるとともに、データをクラウドに引き渡す前に暗号化しておけば、企業はデータから毒性(と責任)を効率的に除去できるわけである。企業の重要なデータをクラウドに引き渡す「前に」暗号化するCipherCloudやAlephCloud Systems、PerspecSys、Skyhigh Networks、Vaultiveといった企業のテクノロジに対する関心も高まっている。また2014年には、HPやCisco Systems、VMware、IBMといった大企業による、興味深いこれら新興企業の買収もあり得るだろう。