奈良先端科学技術大学院大学(奈良先端大)は、統合情報処理環境のシステム基盤にビッグデータ専用アプライアンスなどの採用を決定した。製品を提供する日本オラクルが1月22日に発表した。
このシステム基盤は国際調達入札を通じて採択されたもので、オラクルのエンジニアドシステム「Oracle Big Data Appliance」が、国内の教育機関としては初めて採用されることとなった。情報科学、バイオサイエンス、物質創成科学の研究の一環として、大量の非構造化データの分散処理を行うHadoop基盤の構築に用いられる。
奈良先端大が整備する統合情報処理環境「曼陀羅システム」は、随時更新や拡張が行われており、総容量4ぺタバイトの大容量記憶装置、スーパーコンピュータと同等の960コアの計算処理サーバ群、基幹伝送速度が40Gbpsという高速ネットワークを備えている。今回、この曼陀羅システムを構成する記憶装置として「Oracle ZFS Storage ZS3-2」を国内で初めて導入し、最新の「Sun Server X4」を含む「Sun x86」サーバ200台で2400コアの計算処理サーバ群などを構築することも決定した。また、曼陀羅システムの基盤を支える「曼陀羅ネットワーク」には4000を超える端末が接続され、多数の計算処理サーバとストレージのケーブルを収束し、シンプルな接続を構築する目的で「Oracle Fabric Interconnect」が活用される。これらを融合した全学情報環境システムは2014年2月に導入され、2015年度から本格稼働する予定だ。
奈良先端大はオラクル製品の導入決定にあたり、以下のポイントを高く評価している。
- 「曼陀羅システム」の基盤刷新にあたり、大容量の分散ファイルシステム、高性能なHadoop基盤、柔軟なクラウド環境といった主要な分野をオラクルの製品ポートフォリオで実現が可能であると判断
- 「最先端の研究プラットフォーム」、「高いモビリティ」、「協調分散処理」の原理を掲げる「曼陀羅システム」の要求に応えて、既存のマルチプラットフォームにも融合が可能
- 豊富な実績を有する「Oracle Fabric Interconnect」により、各サーバ間、ストレージやネットワークとの接続を束ね、接続構成を柔軟に変更可能なネットワーク仮想化環境が構築可能
- 最新の「Oracle ZFS Storage ZS3-2」により、容量単価を大幅に削減しながら、大容量で多岐にわたる研究データを安全確実に処理可能