早稲田大学 総合研究機構 研究院教授 福岡秀興氏
国立成育医療研究センター 成育政策科学研究部 部長 森臨太郎氏
医学の新しい可能性を世界に発信
医学的な観点からは、早稲田大学 総合研究機構 研究院教授 福岡秀興氏が説明した。「成人病発症起源説では、妊娠時、新生児期のデータが重要であるが、これまでは紙ベースの情報しかなかった。デジタル化することでデータベースとして蓄積でき、疾病の素因が、妊娠時の何に依存するのかといった研究が一気に進むことになる。世界が強く望んでいながら実現できなかったことが電子母子健康手帳によって実現する。日本から新たな医学の概念を世界に向けて発信できることにもつながる」
国立成育医療研究センター 成育政策科学研究部 部長 森臨太郎氏は、海外での活用について言及。「発展途上国では、母子健康手帳を受け取った妊産婦は、有意に妊婦検診を受診している。だが、経済状況が上位の妊婦に手渡されているだけで、効果が限定されている。ここで電子化が大きな役割を果たすだろう。モンゴルでは、携帯電話が100%普及しており、携帯電話のインフラを応用した形で電子母子健康手帳のサービスを提供することで、妊婦や乳幼児の命が救われる可能性が高まる」と指摘した。
Mamaのーとの画面。一部病院では実証実験を行っている