デルは3月6日、キャンパスネットワーク向けスイッチのラインアップを刷新した。フロアスイッチなど一部を除いて旧製品を廃止し、新たに「Dell Networking N」シリーズにブランドを統一する。新製品として、1ギガビットイーサネット(GbE)に対応したL2スイッチの「N2000」、同L3スイッチの「N3000」、10GbE対応のL3スイッチ「N4000」の3シリーズを提供する。
エンタープライズソリューションズグループ ネットワークセールスグループ統括部長の原正樹氏が、デルにおけるネットワーク製品の位置付けと今回のラインアップ刷新の意図を、次のように説明した。
「非公開企業になった後の方針として、企業向け製品をプッシュしていくことを明確に打ち出している。サーバからストレージ、PCまでをワンストップで提供できるのが当社の強み。ネットワーク製品は“エンタープライズのハブ”に位置付けられている。これまでのネットワーク製品の展開は、サーバやストレージに付随するような展開だったが、今回の新製品からはネットワークを軸に新しいビジネスを創出できるようにしていくことを意図している」(原氏)

Dell Networking プロダクトマーケティング・ディレクター Jonathan Seckler氏

デル エンタープライズソリューションズグループ ネットワークプロダクトセールス部長 草薙伸氏
米Dell Networking プロダクトマーケティング・ディレクターのJonathan Seckler氏によると、ネットワーク製品のビジネス概況は、2013年の新規顧客数が約2万5000ユーザーになるなど、データセンター向けが市場平均で前年比3%増のところを17%増、キャンパス向けが平均6%増のところ9%増と、市場の3倍の成長率で伸びているという。市場シェアは40GbE、ボックス型、ブレードスイッチングの各分野で3位だという。
Seckler氏はネットワーク製品戦略として「ハイパフォーマンスで高帯域なネットワーク、データセンター向けファブリック、モバイルとマルチメディア対応の3つを柱にしている。それぞれについて、10/40GbE対応製品の展開、ファブリックの展開、キャンパス向けの有線と無線の両方での展開を進めている」とした。今回の1/10GbEスイッチは、3つめの有線ネットワークに相当するものになる。
エンタープライズソリューションズグループ ネットワークプロダクトセールス部長 草薙伸氏によると、ネットワーク製品は今後、データセンター向けを買収したForce10、キャンパス向けを買収したPowerConnectで展開してきたが、ブランド統合を進めており、キャンパス向けについては今回のNシリーズの投入で刷新されることになる。
具体的には、L2スイッチの5500シリーズがN2000に、L3スイッチの6200と7000シリーズがN3000に、8100シリーズがN4000に刷新される。ローエンドの2800シリーズやアジア太平洋(APAC)の一部地域で展開する3500シリーズ、コアスイッチC150/C300シリーズは残るという。
新製品投入にあわせて、ソフトウェアもアップデートした。OSはデルが開発したLinuxベースのネットワークOS最新版「Dell Networking OS 6」を採用。新たにL2スイッチ間の冗長構成である「MLAG(Multi-chassis Link Aggregation)」や「VLT(Virtual Link Trunking)」に対応した。
シスコの独自プロトコルである「RPVST+(Per-VLAN Spanning Tree Plus)」や「CDP(Cisco Discovery Protocol)」にも対応した。L3上でのポリシーベースルーティング(Policy Based Routing)や「OpenFlow 1.0」に対応した(1.3へは年内に対応する予定)。
税別価格は、N2000シリーズが30万5600円から、N3000シリーズが59万6900円から、N4000シリーズが個別見積もり。3月中に提供を開始する。