本連載「松岡功の『今週の明言』」では毎週、ICT業界のキーパーソンたちが記者会見やイベントなどで明言した言葉をいくつか取り上げ、その意味や背景などを解説している。
今回は、マカフィーの代表取締役社長を務めるJean-Claude Broido氏と、NECの執行役員常務、西村知典氏の発言を紹介する。
「McAfeeブランドは製品名として引き続き残る」(マカフィー Jean-Claude Broido 代表取締役社長)
マカフィーが先ごろ、2013年の事業総括および2014年の事業戦略について記者説明会を開いた。 Jean-Claude Broido(ジャン・クロード・ブロイド)氏の冒頭の発言は、「Intel Security」へと変更することになった「McAfee」ブランドの扱いについて、会見後に筆者が同氏に直接問いかけて聞き出したものである。
Broido氏は会見で説明した2013年の事業総括および2014年の事業戦略については関連記事を参照いただくとして、ここではブランド変更をめぐる動きに注目したい。
マカフィーの親会社である米McAfeeは、2011年2月に米Intelに買収され、同社の100%子会社となった。そして2014年1月、Intelはブランドとしての「McAfee」を順次「Intel Security」へ変更する方針を発表し、新しいロゴも開示した。
Broido氏は会見でこのブランド変更について、「会社としてのMcAfeeは今後、Intelのセキュリティ部門という位置付けになるが、これは組織の改編というよりブランドの変更だ。ブランドの変更によってマーケティングの展開方法は変わるだろうが、従来の事業戦略やパートナーとの関係が変わることはない。Intelは世界的なIT企業であり、ブランド力も高い。McAfeeのセキュリティ技術とIntelのブランドを一段と生かすことによって、さらなる事業拡大を図っていきたい」と説明した。
さらに詳しいブランド変更の内容については今後改めて発表するとしたが、Broido氏の会見での説明を聞く限り、基本的なところで消化不良気味になった。つまりは、McAfeeブランドは完全に消滅するのか、McAfeeという会社はすでに存在しないのか、日本法人はどうなるのか、などといった点だ。
そこで筆者は会見後、それらの点を明確に聞こうと、Broido氏に単独のぶら下がり取材を行った。わずか5分ほどのやり取りだったが、冒頭に紹介した発言を含めて次のような話を聞くことができた。
--McAfeeブランドは完全に消滅するのか。
会社名としてはなくなる。ただし、製品名としては引き続き残る。セキュリティ分野で強力なMcAfeeブランドを今後も生かしていく。
--McAfeeという会社はすでに存在しないのか。日本法人はどうなるのか。
米国本社では、2013年末までにIntelのセキュリティ部門に衣替えした。日本も手続きが終わり次第、同じ形になる予定だ。
--「Intel Security」のロゴは今後、どこで使われるのか。
私の名刺を見てほしい。今はMcAfeeのロゴが目立っているが、これが間もなくIntel Securityのロゴに変わることになる。