SDNとNFVは補完関係--ブロケード、仮想ルータソフトの販売を本格化

齋藤公二 (インサイト) 2014年03月20日 17時27分

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 ブロケード コミュニケーションズ システムズは3月19日、ソフトウェアネットワーキング事業に関する記者説明会を開催。新たに伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)とネットワールドとディストリビュータ契約を結び、仮想ルータソフトウェア「Brocade Vyatta vRouter」の国内販売を本格化することを発表した。

 Vyatta vRouterは、Brocadeが2012年に買収したVyattaが提供していた製品。スイッチングやルーティング、ファイアウォール、負荷分散、仮想専用網(VPN)などの機能をパッケージングし、vSphere(ESX)、Hyper-V、Xen/XenServer、KVM、Amazon EC2(AMI)などで利用できる仮想アプライアンスとして提供している。2011年からCTCが国内初のディストリビュータとなり、国内展開を進めてきた。

Kelly Herrel氏
Brocade Communications Systems ソフトウェアネットワーキングビジネス担当バイスプレジデント兼ジェネラルマネージャ Kelly Herrel氏

 Vyattaの元最高経営責任者(CEO)で、現在Brocadeのソフトウェアネットワーキングビジネス担当バイスプレジデント兼ジェネラルマネージャのKelly Herrel氏は、「新日鉄住金ソリューションズが世界に先駆けてVyatta vRouterを採用するなど、日本は“NFV”先進国だ」と指摘し、今回のディストリビュータ契約で、導入をさらに加速させると主張した。

 Herrel氏が言うNFVとは、ネットワーク機能を仮想化する「Network Function Virtualization」。これまで通信事業者のコアネットワークは専用機器がベースとなっていたが、NFVは同じ機能を仮想化技術を活用して汎用のサーバで稼働させようとする概念であり、世界の通信事業者が共同で取り組んでいることで注目を集めている。NFVは現在、企業やデータセンターの内部で稼働するネットワーク機器のソフトウェア部分を仮想化して、汎用のサーバで稼働させようとすることも含まれている。

 ブロケードでは、Vyatta vRouterとL4~7のアプリケーション配信制御(Application Delivery Control:ADC)基盤ソフトウェア「Brocade Virtual ADX」2つの製品について“NFV対応”をうたっており、ルーティングからL4~7のADCまでをソフトウェアで制御できるネットワーク機能として提供している。

 同社の進める仮想化戦略「On-Demand Data Center」の概念は、物理的なインフラの上の階層に仮想ネットワークプロトコルの「VXLAN」や仮想スイッチの「NVGRE」、ネットワーク機能、仮想サーバ、“ソフトウェア定義ストレージ(Software-Defined Storage)”を並列させるかたちになっている。

 「SDN(Software-Defined Networking)とNFVは補完的な関係にある。SDNがコントローラやオーケストレーションが“操作する側”とすれば、NFVは仮想マシンベースで環境を提供し、それらを迅速にスケールされるという“操作される側”にあたる。SDNに先行して、NFVがまずは普及していくと考えている」(Herrel氏)

 サービスプロバイダーが提供するサービスの事例としては、新日鉄ソリューションズのほか、AWSやAWS GovCloud(政府向けAWS)、Rackspace、IBMなどがある。Rackspaceでは「Cloud Servers」の中でVyatta vRouterとしてサービスを提供している。AWSの場合は、マーケットプレイスのAMIから利用可能で、Amazon VPCなどを使ってプライベートクラウド側のVyattaと連携し、クラウドバーストに対応するユースケースなどが紹介されている。

青葉雅和氏
ブロケード コミュニケーションズ システムズ 代表取締役社長 青葉雅和氏

 Herrel氏は「スループットが1Gbpsの“5400 vRouter”と10Gbpsの“5600 vRouter”の2つのラインアップでクラウドから中規模企業、大規模なサーピスプロバイダーまでのニーズを満たせる」と説明した。

 ブロケードの代表取締役社長である青葉雅和氏は、SDNの動向と製品展開について「2013年まではVXLANゲートウェイやVCSファブリックといった“SDNレディ”な製品の展開を進めてきた。2014年は仮想ルータや仮想ロードバランサといったネットワーク機能の仮想化という“SDNイネイブル”な製品をいよいよ展開する」と説明した。

 現在、オープンソースソフトウェアではIaaS環境構築管理ソフトウェア「OpenStack」やSDNを実現するためのソフトウェア群「OpenDaylight」といったプロジェクトが進みつつある。青葉氏はOpenStackやOpenDaylightの取り組みを踏まえて、ネットワーク全体を上からコントロールできる時代に入るのは2015年以降だという。

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