富士通、メインフレーム「GS21」新モデル--SoC採用、仮想I/O性能を強化

NO BUDGET

2014-04-04 14:20

 富士通は4月3日、新たに開発したプロセッサを搭載したメインフレームの超大型機「FUJITSU Server GS21 2600」シリーズ(全35モデル)と中大型機「FUJITSU Server GS21 2400」シリーズ(全29モデル)の販売を開始した。

 今回の新モデルでは、最先端CMOSテクノロジで1個のLSIに最大8個のCPUコアのほか、最大24Mバイトの2次キャッシュメモリ、I/Oプロセッサ、メモリコントローラ、システムコントローラを実装した“System on Chip(SoC)”を採用。従来モデルに比べ、トランザクション処理能力を最大約40%向上させ信頼性も向上し、処理能力あたりの消費電力を最大約50%低減したという。

SOC構成
SoC構成(富士通提供)

 新モデルではハードウェアとソフトウェアの強化で仮想I/O数を拡大。開発環境として仮想I/O数が2万程度の大規模な仮想マシン(VM)を構築する場合、従来モデルではクラスタあたり実質3VMまでの構築に制限されていたが、10VM以上構築できるようになった。

 マルチクラスタシステム構成とする場合に必要だった専用装置群を従来モデルの計5筐体から2筐体に統合、集約。保守エリアを含む設置面積を最大約70%縮小できるという。冷却方式は、新たに前面吸気背面排気とし、ケーブルの取り回しでも従来の床下配線に加え天井配線を可能とするなど、標準データセンターへの設置性を強化したと説明。これまで専用空調設備、床工事に要していた費用も削減できるようになったとしている。

 税別価格はGS21 2600シリーズが月額1138万2000円から、GS21 2400シリーズが月額101万5000円から。9月末から順次提供する。販売目標はメインフレーム全体で2014~2016年度の3年間に700台の販売を目指すとしている。

 新モデルに対応した新ソフトウェア「FUJITSU Software GSS21sx」も同日から提供を開始した。GSS21sx(Global System Software 21 smart extension)は、企業情報システムの基盤機能を集約した基盤ソフトウェアパックと、各種機能を提供する4つの上位ソフトウェアパックで構成。組み合わせることで、ソフトウェア間の整合性がとれたシステムを短期間で構築できるとともにGS21の利便性を最大限享受できるという。

 新ソフトウェア「GSS21sx データ活用パック」では、オープン系サーバから標準インターフェースのSQLでGS21シリーズのネットワークデータベースとリレーショナルデータベースへ直接アクセスでき、基幹アプリケーションを開発、実行するサーバの選択肢が拡大するという。

 スマートデバイスなどのモバイル端末からGS21シリーズを利用するためのオープン系サーバ用ソフトウェア「FUJITSU Software WSMGR for Web」には、端末画面の設計、構築の工数を削減できるGUIカスタマイズツールを今回新たに標準添付とした。WSMGR for Webの導入支援、端末画面の設計支援、利用者認証やID管理を含むセキュアなネットワークサービスなどをオールインワンでまとめた「メインフレームコネクト」も新たに提供する。

 2014年は富士通の前身である富士通信機製造が「FACOM 230汎用電子計算組織」を開発、発表してから50年になる。同社では今後も“Made in Japan”にこだわってGS21シリーズのハードウェアやソフトウェア、サポートを強化、提供し、ユーザー企業のビジネス成長と価値向上に貢献していくとしている。

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