モバイルファーストという不可逆

いまさら聞けない「ワークスタイル変革」の実態とモバイルエンタープライズ(後編) - (page 3)

千葉友範(デロイト トーマツ コンサルティング)

2014-04-24 07:30

 また、われわれが予測するワークスタイルのメガトレンドからすると、2020年にはパラレルワーク(副業)は当たり前の世の中になっていると考えます。優秀な人材ほど月、水、金はA社に出社し、火、木はB社で働くみたいなことが当たり前になる時代です。

 2020年は、日本の実質的な労働人口は単純に出生率の話だけでなく、中核をになう世代は介護、育児などで今以上に極端に足りなくなります。

 外国人労働者がこれらを一部担う世界では、「言語」「技術的な経験」などの問題が出てきます。

 そうなるとウェアラブル端末はとても有効なサポートデバイスとなります。これは、考え方を整理する簡単な一例にすぎませんが、こうした観点をPRISMなどのフレームワークを使いながら、きちんと予測していくことが重要だと思います。

 千葉:確かにそうですね。今日の話をまとめると次のような整理でよいですか。

ワークスタイル変革の3カ条

  1. ワークスタイル変革とは、企業の「戦略実現の環境」をいかに作るのかを考えるということである。
  2. ワークスタイル変革を計画するということは、さまざまな外部環境の「未来予測」が必要不可欠である。
  3. ワークスタイル変革を実行するには、トップダウン型でもクイックウィン型でも「青写真を描く」ことが不可欠である。

 田中:はい。なかなか難しいことですが、ワークスタイル変革を成功裡に進めるためには、重要なポイントです。

まとめ

 今回のインタビューを踏まえ、改めてエンタープライズモバイルの重要性を実感することができた。

 今後、企業はこれまで以上にグローバルワイドでの環境下で競争を強いられる。国内でのビジネスを主軸にしている企業であっても、パラレルワークのような環境下では、企業が用意するICTはもはや個人にとっては窮屈なものになり、BYODのような環境が適した働きかたにシフトしてくるかもしれない。

 さらには外国人が増える将来の職場環境では、言語やノウハウ技術力の差を埋めるためにも、スマートデバイスはさらに必要となる。

 つまり、エンタープライズモバイルはワークスタイル変革を実現する上で重要な基盤となるのだ。

千葉 友範
デロイト トーマツ コンサルティング マネージャー
大学院在籍中にIT系ベンチャー設立に参画を経て現在に至る。業務改革プロジェクトを中心に実施し、近年では、デジタルデバイスを活用したワークスタイルチェンジや販売力強化など、戦略策定から実行支援までプロジェクトを多数実施。「会社で使う タブレット・スマートフォン2013」など執筆多数。

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