また、われわれが予測するワークスタイルのメガトレンドからすると、2020年にはパラレルワーク(副業)は当たり前の世の中になっていると考えます。優秀な人材ほど月、水、金はA社に出社し、火、木はB社で働くみたいなことが当たり前になる時代です。
2020年は、日本の実質的な労働人口は単純に出生率の話だけでなく、中核をになう世代は介護、育児などで今以上に極端に足りなくなります。
外国人労働者がこれらを一部担う世界では、「言語」「技術的な経験」などの問題が出てきます。
そうなるとウェアラブル端末はとても有効なサポートデバイスとなります。これは、考え方を整理する簡単な一例にすぎませんが、こうした観点をPRISMなどのフレームワークを使いながら、きちんと予測していくことが重要だと思います。
千葉:確かにそうですね。今日の話をまとめると次のような整理でよいですか。
ワークスタイル変革の3カ条
- ワークスタイル変革とは、企業の「戦略実現の環境」をいかに作るのかを考えるということである。
- ワークスタイル変革を計画するということは、さまざまな外部環境の「未来予測」が必要不可欠である。
- ワークスタイル変革を実行するには、トップダウン型でもクイックウィン型でも「青写真を描く」ことが不可欠である。
田中:はい。なかなか難しいことですが、ワークスタイル変革を成功裡に進めるためには、重要なポイントです。
まとめ
今回のインタビューを踏まえ、改めてエンタープライズモバイルの重要性を実感することができた。
今後、企業はこれまで以上にグローバルワイドでの環境下で競争を強いられる。国内でのビジネスを主軸にしている企業であっても、パラレルワークのような環境下では、企業が用意するICTはもはや個人にとっては窮屈なものになり、BYODのような環境が適した働きかたにシフトしてくるかもしれない。
さらには外国人が増える将来の職場環境では、言語やノウハウ技術力の差を埋めるためにも、スマートデバイスはさらに必要となる。
つまり、エンタープライズモバイルはワークスタイル変革を実現する上で重要な基盤となるのだ。
- 千葉 友範
- デロイト トーマツ コンサルティング マネージャー 大学院在籍中にIT系ベンチャー設立に参画を経て現在に至る。業務改革プロジェクトを中心に実施し、近年では、デジタルデバイスを活用したワークスタイルチェンジや販売力強化など、戦略策定から実行支援までプロジェクトを多数実施。「会社で使う タブレット・スマートフォン2013」など執筆多数。