Googleは、自社サービスを支えるサーバにIBMの「POWER」プロセッサを導入することを検討している。また報道によれば、Amazonは、自社のクラウドサーバに「ARM」ベースのカスタムチップを検討しているという。つまり、クラウド大手である両社は、Intelへの依存を回避しようとしている。そして両社は、エンタープライズ向けにレンタルされるインフラの大半を支えていく可能性の高い企業だ。
なかでも最初に挙げられるのは、Googleが自社サーバ向けにIBMのPOWERプロセッサを検討するという動きだ。OpenPOWER Foundationの会長を務めるGordon MacKean氏はGoogle+のブログ投稿で、IBMの「POWER8」プロセッサを使用した、Googleのサーバ用マザーボードの写真を掲載した。
米CNETのStephen Shankland記者は、GoogleはIntelへの賭けをいくらか分散しようとしているようだと指摘する。IBMのPOWERプラットフォームを採用する場合、Googleの動きは、それが単なるコンセプト以上のものになると仮定すると、同社にハイパースケールサーバ分野に参入する機会をもたらす。
Intelは、サーバ分野における同社の支配的な地位を「Xeon」プロセッサでなんとか維持してきた。ハイパースケール分野でIntelは、「Atom」プロセッサを搭載したマイクロサーバを開発した。Hewlett-Packard(HP)の「Moonshot」サーバの初期モデルには、IntelのAtomプロセッサが搭載されていた。
それでも、企業はIntelに対抗する勢力を見つけたいと考えている。その1つの選択肢となっているのがARMアーキテクチャだ。また、Facebook、Google、Amazonも独自サーバを開発することで、従来のハードウェアベンダーに圧力をかけている。
こうしたことを受けて、GigaOmは、AmazonがLinkedIn上で多数の求人情報を掲載した件を記事に取り上げ、その多くが自社サーバ向けのカスタムARMチップ関連業務であると指摘している。どうやらAmazonは、Calxedaの元アーキテクト数名を採用するようだ。
Amazonは独自のARMプロセッサを開発している可能性があるが、具体的にどのようなメリットがあるのかは分からない。NVIDIAやApplied Micro、その他多数のARMチップメーカーがサーバ分野に参入する可能性もある。AMDは既に、データセンターの分野でARMを後押ししている。
結局、AmazonやGoogleといったクラウド大手は、データセンターを効率化することで、数十億ドルを節約することができる。Intelに投じる費用から少しでも資金を捻出しようと、各社はそれに競合する独自のサーバを開発することが必要となるだろう。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。