特定非営利活動法人いわて連携復興センターは、岩手県内の復興支援におけるプロジェクトや支援団体との関係を一元的に管理し、案件進捗や支援規模に応じた分類・集計、統計結果のグラフ表示などをする「中間支援NPO活動支援システム」の本格運用を、4カ月間の評価期間を経て5月1日より開始した。構築を手掛けたSCSKが5月7日、発表した。
いわて連携復興センターでは、岩手県内の復興支援NPO約700団体に対し、調査・相談窓口などのさまざまな支援、連携(中間支援)を実施しているほか、国、地方自治体、企業、被災3県のNPOなど、セクターを超えた幅広いステークホルダーと連携して事業を手がけている。
岩手県をはじめとする被災地域では緊急復旧段階から復興段階へ移行しはじめ、本格的な新しい街づくりや産業創出が徐々に始まってきており、いわて連携復興センターの活動にも、高度化や持続性が求められているのに対し、限られた人員リソースでは支援実績やステータス管理が属人化してしまい、情報共有や案件管理不足・対応スピードアップが課題になっていたという。そこでシステム化による基盤整備に着手することとなった。
この取り組みは、特定非営利活動法人日本NPOセンター「市民活動団体(NPO)育成・強化プロジェクト」の「組織力向上サポート助成プログラム」の支援を受けて実施され、システム構築はSCSKが復興支援活動として実施した。システムのベースとなっているのは「Microsoft Dynamics CRM Online」で、いわて連携復興センターのニーズに対応可能な機能を備え、かつ柔軟なシステム拡充やセキュリティ設定が可能なものとして採用された。
中間支援NPO活動支援システムの機能
今回開発された中間支援NPO活動支援システムは、復興支援におけるプロジェクトや支援団体との関係を一元的に管理し、案件進捗や支援規模に応じた分類・集計、および統計結果のグラフ表示などを行うことができるようになっている。いわて連携復興センターの11人の職員全員が、ネットワーク経由で、どこにいても登録者情報や活動状況などの情報を共有でき、必要な時に必要なデータを扱えるようになった。
例えば、以前は年間イベント実施回数の集計業務に数日要していたのが、条件を指定するだけですぐに抽出することが可能になるなど、効率向上に貢献しているという。蓄積した情報を分析することで、復興支援活動の参加者や活動の傾向を把握し、今後の支援活動の企画、立案に活用していく予定。
システムの運用により、いわて連携復興センターは、効率的かつ的確に支援案件を把握することができ、復興に向けた県内外のセクターを超えたステークホルダーとの連携効率化、スピード向上が可能になったとしている。
今後も、いわて連携復興センターおよびSCSKは、今後も東北被災地域をはじめとする中間支援NPOの組織基盤強化のため、今回構築した中間支援NPO活動支援システムを活用しながら、ベストプラクティスの調査・研究を進め、協力していくとのこと。