※"Open Knowledge Foundation Japan(OKFJ)"が翻訳した「オープンデータの価値とは何ですか?」をZDNet Japan編集部が加筆、修正したものです。原文はOpen Data NowのJoel Gurin氏がGovLab Blogで公開しています。
世界中で、国および地方公共団体は、多数の正当な理由により、収集したデータをオープンデータとして利用可能にしている。オープンデータによって、政府がより説明責任を果たすために支援し、政府の業務において市民が力を得て参画するなど、より効率的かつ効果的に公共サービスを提供することができます。
民間部門では、オープンデータは、起業家のための新たな機会を創出して既存事業のより戦略的な運営を支援し、投資家に有益な情報を与えたり、研究開発のペースを加速したりすることができます。
これは良いことづくめのようですが、一方でいくつかの疑問が未解決のままです。実際のところ、誰がオープンガバメントのデータを利用しているのでしょうか。彼らはどのようなデータセットをどのように利用しているのでしょうか。さらに一番答えづらいのは、正確には、オープンガバメントのデータの価値とは何を指すのでしょうか。
これらは、理論的な問題以上のものです。米国、英国、G8 で設定された最近の政策では、ガバメントデータは、「Open by default」であるべきという考えを受け入れています。即ち、非公開にしておくべきセキュリティ、プライバシー、その他やむを得ない理由がある場合を除いて、それはオープンであるべき、ということです。これは原理的には素晴らしいことです。
しかし実際には、米国政府はさまざまなレベルのデータ品質とともに、さまざまな種類の技術を利用して約1万の情報システムを管理しています。利用可能で信頼性の高いオープンデータにそれらすべてを変換する時間、労力、そして費用を正当化するために、われわれはコストと利益を定量化できるようにする必要があります。
私が米国ニューヨーク大学の研究センターである「Governance Lab」(GovLab)で指揮しているオープンデータ500の研究では、経済学その他の研究者にオープンデータの価値を評価するのに役立つ新しい情報基盤を提供します。これは、現実世界で最初の、健康、金融、教育、エネルギー、その他の部門の政府オープンデータを利用している企業の総合的なマッピングのことです。これらの企業に、彼らが利用しているオープンなデータセットに関する具体的な質問をすることで、われわれはまた、ビジネスユースにとって最も重要なのはどのようなデータか、そしてどのような形式なのか、といったことを政府機関が優先順位付けする支援をしたいと考えています。