5時間の処理を1時間に、コストは半減--三甲リースがデータベース基盤を刷新

山田竜司 (編集部)

2014-06-24 14:03

 三甲リースは、データベース専用機「Oracle Database Appliance」でデータベース基盤を刷新した。オラクルとアシストが6月23日に発表した。

 コンテナなど物流機器のレンタル業を営む三甲リースは、レンタル業務の中核となるプラスチックパレットやコンテナ管理システムの基盤をデータベース管理システム(DBMS)「Oracle Database Standard Edition」で構築していた。

 三甲リースでは、レンタル資産の紛失を防止するためにRFIDやQRコードを使用して個体を管理し、個体管理分析の前処理として集計バッチを実施していた。しかし管理の際に発生するトランザクションが1日50万件以上、累積2億件という突き合わせ処理の手間から遅延が発生したため、メインのバッチ処理に影響が出始めたという。

 将来的に全商品の個体管理を予定していることもあり、年間トランザクションが3億件となる見込みだったため、処理に大きな遅延のリスクがあり、早急なレスポンス対策が必要になった。

 三甲リースの情報システム部では、アプリケーション改修は期間とコストが必要であり現実解ではないと判断した。使用していたハードウェアが導入当初、個体管理の実施を予定していないものだったこともあり、ハードウェアの更新を決めた。遅延の原因調査と改善のためのレスポンス検証を担当したアシストから、新たなデータベース基盤としてDatabase Applianceを提案され採用に至った。

 採用のポイントとして、カットオーバーまでにかかる期間や工数が少ない、ディスクI/O性能の高さ、レスポンス、プロセッサ能力に応じるライセンス方式や、データ量やデータ項目が従量制となる課金体系、IAサーバと比較し初期費用が50%、保守費用40%減というコスト効果などを挙げた。

 新しいデータベース基盤の構築をこの1月に完了。新システムでは、最大5時間かかっていた処理を1時間に短縮した。また、バックアップ容量と時間を80%圧縮したという。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    警察把握分だけで年間4000件発生、IPA10大脅威の常連「標的型攻撃」を正しく知る用語集

  2. セキュリティ

    まずは“交渉術”を磨くこと!情報セキュリティ担当者の使命を果たすための必須事項とは

  3. セキュリティ

    迫るISMS新規格への移行期限--ISO/IEC27001改訂の意味と求められる対応策とは

  4. セキュリティ

    生成AIを利用した標的型攻撃とはどのようなものなのか?実態を明らかにして効果的な対策を考える

  5. セキュリティ

    こんなにあった!従来型SIEMが抱える課題──次世代SIEMに必須の“8つの要件”とは?

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]