三甲リースは、データベース専用機「Oracle Database Appliance」でデータベース基盤を刷新した。オラクルとアシストが6月23日に発表した。
コンテナなど物流機器のレンタル業を営む三甲リースは、レンタル業務の中核となるプラスチックパレットやコンテナ管理システムの基盤をデータベース管理システム(DBMS)「Oracle Database Standard Edition」で構築していた。
三甲リースでは、レンタル資産の紛失を防止するためにRFIDやQRコードを使用して個体を管理し、個体管理分析の前処理として集計バッチを実施していた。しかし管理の際に発生するトランザクションが1日50万件以上、累積2億件という突き合わせ処理の手間から遅延が発生したため、メインのバッチ処理に影響が出始めたという。
将来的に全商品の個体管理を予定していることもあり、年間トランザクションが3億件となる見込みだったため、処理に大きな遅延のリスクがあり、早急なレスポンス対策が必要になった。
三甲リースの情報システム部では、アプリケーション改修は期間とコストが必要であり現実解ではないと判断した。使用していたハードウェアが導入当初、個体管理の実施を予定していないものだったこともあり、ハードウェアの更新を決めた。遅延の原因調査と改善のためのレスポンス検証を担当したアシストから、新たなデータベース基盤としてDatabase Applianceを提案され採用に至った。
採用のポイントとして、カットオーバーまでにかかる期間や工数が少ない、ディスクI/O性能の高さ、レスポンス、プロセッサ能力に応じるライセンス方式や、データ量やデータ項目が従量制となる課金体系、IAサーバと比較し初期費用が50%、保守費用40%減というコスト効果などを挙げた。
新しいデータベース基盤の構築をこの1月に完了。新システムでは、最大5時間かかっていた処理を1時間に短縮した。また、バックアップ容量と時間を80%圧縮したという。