--クラウドストレージを利用するユーザーに変化はあるか。
「データのコントロール」に関して、ユーザーの要求が以前と変わってきていると感じます。コントロールに含まれるのは、セキュリティや可視化です。例えば、データがどのような形で格納されているのか、どこに格納されているのか、どのような形で使用されているのかを知りたいというユーザーが増えています。誰がデータを所有するのかというオーナーシップや、エンドユーザーのデータがサードパーティに対して公開されていないかどうかといった部分を気にするようになっています。

以前は「クラウドにデータをあずけたい」というだけで、コントロールに対する意識は低い傾向にありました。例えば、クラウドサービスを自社で構築してみようとか、Googleとパートナーシップを組む、あるいはDropboxとパートナーシップを組もうといった意識だったと思います。
そういった経験を通じて、実は自分たちはデータを十分にコントロールできていないのではないかということにユーザーが気づき始めて、現在はデータを自分たちでコントロールしたいという要望が多くなったようです。そういったユーザーの要望に応えるために、ユーザー自身がコントロールできるようなプラットフォームを提供しているのです。
--今後のクラウドストレージ市場の展望について。
展望には長期的、短期的の2つの切り口があると思います。短期的な切り口では、クラウドストレージは2年間で100億ドルを達成するようなビジネスチャンスではありません。しかし長期的に見ると、データがエクサバイト規模になっていき、1000億ドルの巨大なビジネスチャンスになっていくでしょう。
現在、1つひとつのデータが、たとえばエンタープライズのデスクトップやディスク、あるいは携帯電話などのローカルに存在しています。これらのデータが今後クラウドストレージに複製されていくと考えています。また、セキュリティに対する関心は日々高まっていくでしょう。
そして日本は興味深い先行指標であると思います。前段で日本の特徴を3つ挙げました。この3つ、「非常に高度化されたインフラがある」「モバイルファースト」「データ量が膨大」という条件を考えた場合、長期的に見て、ビジネスチャンスや市場の成長性を最も期待できるのが日本市場だと考えます。
クラウドストレージに求められる要件はより深刻度を増し、変化のスピードが上がっています。われわれは常に顧客の声を聞いて、変化していく要件に対応していきます。