富士通は8月5日、企業の無線LAN環境をクラウドを活用して簡単に構築、運用できる「FUJITSU Managed Infrastructure Service FENICS II ビジネスWi-Fiサービス」の提供を開始した。企業の無線LAN環境に必要となる認証、管理する機能をクラウド上で構築し、構築後も電波状況の確認や設定の変更など、ユーザー拠点のアクセスポイントを集中管理する。
ユーザー企業は無線LAN環境の初期構築にかかる工数、費用を抑えながら、事業所単位など小規模から導入でき、導入後の保守運用作業を軽減できるという。不正な持ち込み端末やあらかじめ許可されていない端末からの社内ネットワーク接続を防止、来訪者へのネット接続環境を提供する。
FENICS II ビジネスWi-Fiサービスのイメージ(富士通提供)
利用シーンイメージ(富士通提供)
無線LAN環境に必要な認証サーバと無線LANアクセスポイントを月額サービスとして提供することで、ユーザー企業は初期構築の工数やコストを削減できる。富士通データセンターの管理基盤からユーザー企業の拠点に設置されたアクセスポイントの状態を遠隔で監視する。
通信品質に影響を与えるノイズなどを数値化し電波干渉の影響を把握することで、安定した電波環境をサポートするという。アクセスポイントに問題が発生した場合は、一括管理している設定情報やログ情報から状態を適切に把握し、問題の早期解決を図れるとしている。
接続時の認証としてID認証に加え、デバイス証明書認証をサポートする。証明書認証を利用することで、第三者が持ち込んだ不正な端末やあらかじめ許可されていない端末からの社内接続を防ぐ。サポートするOSはWindows、Android、iOSに対応し、マルチデバイスで同等のセキュリティレベルを確保できる。
店舗などで来訪者がウェブサイトなどにアクセスするためのネット接続環境を提供する。業務システム用に利用しているアクセスポイントを共用できることから、既存の社内ネットワーク環境に手を加えることなく、来訪者もネットを利用できる。
税別価格は、基本サービスが初期費用6万8500円、月額6万8000円、アクセスポイントのレンタル・管理が初期費用3万2000円、1台あたり月額3600円から。
富士通では今後の展開として、WindowsのActive DirectoryのログインID、社外から一人ひとりの利用者を特定してユーザー企業のクラウド環境に接続するリモートアクセスサービス基盤「FUJITSU Managed Infrastructure Service FENICS II ユニバーサルコネクト」のIDからビジネスWi-Fiサービスにアクセスできるようにする。12月から提供する。
2015年3月からは、クラウドに収集された無線LAN電波で端末の位置情報測位データを提供する。店舗での来客者の導線や滞留情報の可視化、工場で作業者へのナビゲーションなどに応用できるという。