筆者が以前主張したとおり、HTML5を最優先に考える開発者は全体の26%にすぎないが、HTML5は引き続き、誰にでも好まれる2番手(あるいは3番手)の地位にある可能性が高い。VisionMobileのデータで分かるとおり、開発者の52%がHTML5を使っていても、市場の2位になることは大変なことである。
HTML5を使う開発者の39%は、ブラウザの外でのアプリ開発を選択(VisionMobile調べ)
ブラウザを見て森を見ず
いずれにしても、HTML5をiOSやAndroidの代替手段と考えることは、間違った考えだ。開発者はかつてHTML5のことを、ブラウザにアプリを届けるための方法と見ていたが、それはもはや正しくない。何よりもこうしたことがあるからこそ、VisionMobileのデータが示しているように、HTML5にはモバイル開発の分野での明るい未来があるといえる。
HTML5アプリについて、こうした意味を踏まえて考えるようになれば、HTML5がブラウザにとらわれることは全くないということがはっきりする。Ember.jsのようなフレームワークや、TechRepublicが紹介したようなアプリプラットフォームは、開発者がHTMLに慣れているというメリットを生かして、さまざまなハイブリッドのアプリを容易に開発できるようにするとともに、ネイティブコードを使ってアプリを拡張することを可能にする。
つまり、HTML5はiOSやAndroidに取って代わるものではなく、それらを完全に補完する、あるいは補完する可能性があるものだ。開発者はHTML5によって真のクロスプラットフォーム互換性を実現し、アプリの大部分をHTML5で書いてから、ネイティブコードを使ってそのアプリをほかのプラットフォーム向けに手直しするという方法を取れるようになる。
ハイブリッドは、両者の良いところをとっている。だからこそ、HTML5の未来は非常に明るいのである。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。