サーバ仮想化がストレージを進化させる--IDC調査

山田竜司 (編集部)

2014-08-18 13:27

 IDC Japanは8月18日、国内ストレージソフトウェア市場の2013年の売上実績と2014~2018年の予測を発表した。2013年は、前年比成長率は13.4%増の782億200万円。2013~2018年の年平均成長率(CAGR)は4.2%、2018年の市場規模を961億円と予測している。成長要因としてサーバ仮想化により高度なストレージ機能が要求されるケースが増えている点を挙げた。

 2013年の国内ストレージソフトウェア市場はデータ保護/リカバリーソフトやストレージレプリケーションソフト、ストレージ管理系ソフトなど各セグメントの売り上げがそれぞれに伸びた。データ保護やリカバリーソフトだけが市場をけん引するというここ数年の成長パターンとは異なる傾向が見られたという。

 背景にあるのが、サーバを仮想化する動きの加速だ。共有ストレージに多くの仮想サーバが接続されるようになるだけでも、ストレージの機能要件は高まるが、サーバが仮想化されたことでインフラ運用の迅速性、効率性への要求も上がっており、高度なストレージ機能を利用するユーザーが増えてきているとした。

 IDCでは、2014年以降もストレージ運用に関する機能的な要求は継続的に高まるとみる。データ活用の成功事例が広がっていくとし、保有データは量、種類ともに増え、ストレージソフトに対する需要は増加傾向が続くと予測している。

 それに対して供給サイドの状況、つまりストレージ事業者のソフトウェア価格戦略には不確定要素があるという。事業者がストレージ運用、管理機能を高めたソフトウェアを開発、提供することは確実だとした上で、別途、ソフトウェアオプションとして追加費用を課すか、標準搭載としてユーザーからは値段が見えない形態で提供するかはストレージ製品市場全体での競合状況で変わる可能性があるとした。

 IDCは、ITインフラの運用はコモディティのハードとソフトウェアの組合せによって効率化し、自動化を図る方向が目指されていると指摘。「Software-Defined x」などの言葉で表わされるコンセプトに沿って多くの製品が生まれており、ストレージ分野も同様という。ストレージの各事業者は「Software-Defined Storage」と位置づける製品の機能強化を続けており、その競争の焦点であるソフトウェアのテクノロジやアーキテクチャの重要性はこれからも高まっていくと予測した。


2010~2018年 国内ストレージソフトウェア市場 売上実績と予測

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