どんなに実績のあるIT部門でも、プロジェクトが上手くいかないことはある。あなたならそのようなプロジェクトに気づいたとき、どうするだろうか?ここでは、そのような状況に対処するための10の戦略を挙げる。
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1.とにかくコミュニケーションを取る
どんなプロジェクトでも、オープンで協力的なコミュニケーションの場を設け、開かれたコミュニケーションを取ることは大切だ。失敗しそうなプロジェクトの場合、開かれたコミュニケーションチャネルを持つことは絶対的に必要だ。あなたが責任者であれば、プロジェクトがうまくいかなかった理由を各利害関係者のオフィスで説明することになるはずだ。プロジェクトが失敗しつつあるという知らせを届けるのは嫌な仕事だが、既に良好なコミュニケーションが確立されていれば、それもやりやすくなる。
2.言い訳をしない
筆者は、全員が自分の身を守るのに必死で、誰も失敗した理由を説明しようとしないプロジェクトをいくつも見てきた。もしあなたがプロジェクトの責任者であり、それを終わらせる必要があるのなら、責任を受け入れ、言い訳をしないことだ。例えば、「購入する部門にはアプリケーションの仕様を検証したり契約を破棄するチャンスがなかった」というように。
3.兆候を見逃さない
多くのプロジェクトは、表面的にはうまくいっていても、少し掘り下げると様々な問題が潜んでいる。目端が利くプロジェクトマネージャーであれば、プロジェクトが失敗し始めたときには、それを感じることができる。スタッフのストレスの兆候や、起こるべきでないプロジェクトの初期の遅れを見逃さない。こういった兆候に気づいたら、彼らはすぐに対処する。多くの場合、それでプロジェクトを好転させることができるが、できないこともある。プロジェクトが失敗する可能性を早く認識するほど、早く対処することができ、失敗の影響を小さく抑えることができる。
4.早いうちに中止する勇気を持つ
多くのプロジェクトマネージャーは楽観主義であり、ほとんどどんなプロジェクトでも何とかする方法を見つけることのできる、創造性豊かな問題解決の専門家だ。しかし、これを裏返せば、それらのプロジェクトマネージャーは失敗しそうなプロジェクトに直面してもそれを受け入れない可能性が高いということでもある。彼らの「為せば成る」という精神には、多くの場合プロジェクトの失敗を判断する能力は含まれていない。失敗の判断は簡単に下すべきではないが、プロジェクトが失敗することが分かったら、それ以上の損失を避けるために早めに撤退する勇気も必要だ。
5.敗因を分析する
なぜそのプロジェクトは失敗したのだろうか?人は、失敗したプロジェクトからは距離を取って忘れてしまいたいと思うものだ。その本能には逆らう必要がある。当然、スタッフも同じだ。プロジェクトが中止されたら、まだ記憶が新しいうちに全員でこの問題について議論できるよう、できるだけ早く敗因を分析すること。また、チームのメンバーと集まってこれを行う際には、会議室に協力的でリラックスできる、威嚇的でない環境を作ることも同じくらい重要だ。