エプコ(足立区)と日本IBMは9月2日、エネルギー管理などの分野で協業することに合意したと発表した。エプコのアプリケーションやサービスとIBMが提供する情報基盤を接続し、エネルギー関連や生活をサポートする企業にサービスを提供することを目的にしている。
エプコは住宅関連事業会社に住宅物件ごとの設備設計や家歴管理、アフターメンテナンスなどのサービスを提供している。節電と快適生活をサポートするというネットサービス「ぴぴパッ!」は、気象予測や消費予測、買電予測、蓄電池制御、太陽光発電予測をもとに節電目標を立てて、節電アドバイスを受けながら快適に経済的な暮らしを支援するとしている。
IBMのサービス配信基盤(SDP)は、仕様の異なる複数のビルエネルギー管理システム(BEMS)や家庭エネルギー管理システム(HEMS)などの機器のデータを統一的なフォーマットで収集、保管し、サービスプロバイダーにAPIを提供することでBEMSやHEMSなどのデータ利活用を促進するオープンなプラットフォーム。
両社は、ぴぴパッ!や業務支援サービスとSDPを連携していき、電力小売分野でのエネルギーサービス市場の拡大とHEMSなどのデータの利活用で新規ビジネス創出や新規ビジネス事業者への支援を進める。主に、電力小売自由化を見据え電力事業に参入する事業者やデマンドサイドマネジメントを提供する住宅関連事業会社や電力供給事業者、エネルギー関連サービス事業者、自治体などを対象に提供していくという。
協業ではまず、ぴぴパッ!とSDPの接続仕様を検討、接続を検証し、電力小売事業参入企業の迅速な事業開始が可能という情報基盤と業務がそろっているパッケージ「電力小売事業者向けユーティリティサービス」(仮称)を10月から提供する。
今後、HEMSのデータや天候情報、可能な節電方法とこれまでの対応パターンと実績など生活者の状況に応じた個別の節電アドバイスや見守りサービスなど、ワントゥワンでのコミュニケーションを確立していく計画。電力小売自由化を見据えて電力事業参入やデマンドサイドマネジメントを支援する情報基盤と業務をパッケージ化し、データの利活用を軸にしたイノベーションの創出を推進していくとしている。

電力小売り事業者向けユーティリティーパッケージの概要(IBM提供)