ビッグデータの「多様性」問題に対処するには?--購買システムのケースから考える

Mary Shacklett (Special to TechRepublic) 翻訳校正: 川村インターナショナル

2014-09-24 06:00

 量(Volume)と速度(Velocity)に加えて、多様性(Variety)がビッグデータの3つ目の「Vの要素」として急速に姿を現しつつある。この問題は、大企業の間で特に広まっている。大企業には数多くの記録システムがあり、また構造化されているデータと構造化されていないデータの両方が大量にあるためだ。こうした企業は、個別の子会社や支店に、購買や製造、営業、財務などの部門機能が複数あり、機能の重複によってシステムの「サイロ化」という事態に陥ることが多い。

 結果として、企業が自社のビッグデータやアナリティクスの取り組みを進める中で気付きつつあることは、こうしたデータやシステムソースの多様性を活かしてアナリティクスの成果を最大化し、同時に、自分たちが学習したことによるメリットを、企業のできるだけ多くの分野で活用する必要があるということだ。

 子会社や支店が個別の購買システムやデータリポジトリを使うことによる購買機能の分散化が、その良い例だ。

 Tamrの最高経営責任者(CEO)のAndy Palmer氏は、「大企業で多く起こっているように、調達機能が分散化すると、こうした異なる購買組織がサービス契約を結ぶ際に、得られるはずの力を得られないというリスクがある。理論的には、購買担当者は、購入の際に規模の経済からの利益を得られるはずだ。しかし彼らには、購入しようとしている商品について、社内の誰かが過去に購入できた最低価格を見極めるために、会社全体の購買システムすべてを確認する方法がない」と述べている。Tamrでは、機械学習と高度なアルゴリズムを利用してデータをインデックス化し、一度に表示できるよう統合することで、データの「キュレーション」を行っている。

 Palmer氏によると、Tamrでは、企業のさまざまな部門の購買担当者が参照できる、「最低価格」についてのオンプレミスのウェブサイトソリューションを提供することで、この領域の解決策を用意しているという。このサービスでは、最低価格を見つけ出し、会社全体の購買担当者がこれにアクセスできるようにするために、Tamrの機械学習とアルゴリズムを使って、完全に異なる購買システムにまたがるさまざまな購買データカテゴリを分析している。「われわれはAPIを使うことで、このサービスをさまざまな調達アプリケーションに組み込めるようにしている。その結果、当社の顧客の一部は、年間調達費用を数千万ドル節約している。それは、購入の交渉をするときに、製品やサービスの『最低価格』を把握できるようになったからだ」(Palmer氏)

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