海の家を自ら運営してWindowsタブレット導入ノウハウをためる--セカンドファクトリーの取り組み - (page 3)

岡田靖

2014-09-22 07:00

 猛暑の続く夏の盛り、窓を全開にしても通風は限られる店内、しかも調理の熱もあり、厨房の室温は外よりさらに高い。ラーメン用の鍋などは火を絶やせず常に湯気が出続け、裏の窓には換気扇代わりの扇風機を取り付けてあるが、焼け石に水。あまりの熱気に、タブレット端末や無線LANルーターがダウンすることも珍しくない有様だったという。

 無線LANルーターの方は厨房の隣の部屋に置いて対処したが、タブレット端末はレジカウンターに置いておかなければ意味がない。そこで今回、加藤氏の推薦で、パナソニックの業務用タブレットPC「TOUGHPAD FG-G1」を1台、試験的に導入することにした。

 TOUGHPADおよびTOUGHBOOKは、防水・防塵設計に加えて耐衝撃性を備え、普通のPCでは故障・破損してしまうような環境でも利用できることで知られるタフネスPCシリーズで、さまざまなフィールド業務、警察や消防などの現場などで広く用いられている。実は使用環境条件も普通のPCより広く、マイナス10度から50度に対応している。熱気が充満する海の家の厨房でも、他のタブレットより持ちこたえることが可能だ。

 「もちろん、砂が飛んできたり、濡れた手で操作するといった環境なので、その点でも防水・防塵設計の安心感があります。また、携帯電話網を利用できるワイヤレスWANモデルなら、浜辺に出てオーダーを受けることも可能です。またSMSを通じた遠隔消去にも対応できるので、利便性もセキュリティも向上します。一般的なWindowsタブレットより高価ですが、TOUGHPADが故障するまでに普通のPCが何度壊れるかを考えれば、むしろトータルで安上がりになるケースもあるのです」(加藤氏)

 TOUGHPADは、他のタブレットPCが熱によりダウンする環境下でも、何のトラブルもなく夏を乗り切ったという。来年には、より多くのTOUGHPADが片瀬海岸に見られるようになるかもしれない。

セカンドファクトリーの大関氏(左)とワンビCEOの加藤貴氏
セカンドファクトリーの大関氏(右)とワンビCEOの加藤貴氏

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