大手IT企業が共同で取り組む「OpenStack」の最新バージョンがリリースされた。この「OpenStack 2014.2」は「Juno」と名付けられ、ビッグデータ関連の新機能が追加されている。
新しいOpenStackには、あまり多くの新機能は追加されていない。OpenStack FoundationのエグゼクティブディレクターであるJonathan Bryce氏は、Junoについて、追加された新機能の10倍の数のバグを修正した、Icehouseのコードベースを成熟させたバージョンだと説明している。
とはいえ、Junoには重要な新機能である「Sahara」が追加されている。これによって、OpenStackでHadoopのビッグデータアプリケーションを動かすことができる。また、SaharaではHadoopと協調して動作するインメモリコンピューティングフレームワークである「Apache Spark」もサポートされている。同時に、「OpenStack Trove」には、NoSQLデータベース管理システムであるMongoDBのクラスタをサポートする新しいクラスタリングAPIが追加された。
ストレージコンポーネント「Swift」がSwift 2.0になったことにも要注目だ。これによってクラウド管理者はOpenStackのバックエンドストレージオプションをより細かくコントロールできるようになる。
OpenStackのネットワークコンポーネントである「Neutron」のIPv6サポートも改善されている。また、「Nova」では初めてネットワーク機能仮想化(NFV)がサポートされたが、これはまだベータ(あるいはアルファ)テスト水準の技術だ。
簡単に言えば、OpenStackのクラウドでHadoopを使ったビッグデータの処理を行いたいのでなければ、今回のリリースにはそれほど刺激はない。ただし、新しい機能よりも重要なのは、これがこれまでで最も本番環境で使う準備が整っているリリースだということだろう。多くのクラウド管理者は、どんなに素晴らしい新機能よりもこれを歓迎するはずだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。