テラデータCTOに聞くデータ分析の次なるトレンド
「Data Driven」をテーマに掲げ、データ駆動型分析の重要性に焦点を当てた今回のコンファレンスでは、Clouderaとのパートナーシップ強化など、エコシステムの必要性も強調された。他社のデータベース連携を実現するQueryGridのリリースは、その象徴だと言ってよいだろう。
Teradataは今後、どのようにビッグデータ市場でのイニシアチブを握っていく戦略なのか。同社で最高技術責任者(CTO)を務めるStephen Brobst氏が、日本メディアのグループインタビューに応じ、今後の同社の方向性などをについて語った。
Teradata CTO Stephen Brobst氏
――QueryGridをリリースした背景を教えてほしい。
顧客からTeradata製品とHadoopとをインテグレーションしたいとの要望があったからだ。われわれは、1つの技術がスタンドアロンで顧客ニーズすべてをカバーできるとは考えていない。「SQL-H」はTeradata(Database)とAsterの両方に実装されるHadoopデータへのアクセス機能だが、SQL-Hをプラットフォームをベースに、ほかのデータベースを対象にできるようにしたいと考えた。これにより顧客は、データロケーションを気にしたりHadoopへのアクセスのためにプログラミングを覚えたりする必要がなくなった。
――今後の方向性は、スタンドアロンよりも協業というスタンスか。
今まではDWHを「すべての問い合わせに回答できるプラットフォーム」としてとらえていたが、今後はエコシステムが重要になる。完成されたスタンドアロンの製品をわれわれが提供するではなく、オープンソースやHadoopの技術など、サードパーティの技術も併用できるよう互換性と相互運用性を重視していく。
――ビジネスサイドが注目している、次のビッグデータ分析トレンドは何か。
間違いなくセンサデータ分析だろう。米国では実際にセンサデータの分析で、新たなサービスが生まれている。自動車には各部品にセンサが搭載され、あらゆるデータが収集されている。その中で、例えばドライバーの運転状況をデータ化し、運転技術(状況)に見合った保険商品を提供するといったサービスも開始されている。
センサデータの活用では「JSON(JavaScript Object Notation)」に注目している。これは、データをやり取りするためのデータ記述形式の一種だが、多くのプログラム言語に対応しており、センサデータのような(軽量で非構造化データ)タイプのデータ収集に適している。今後は重要になるだろう。
Teradata 2014 PARTNERSが開催されたナッシュビルは“音楽の街”として知られている
“音楽の街”であるナッシュビルでは、コンファレンス会場にも巨大なギターのオブジェが置かれていた