AWSの収益がIT業界市場最速の成長
イノベーションと直結しているかどうかは賛否はありますが、AWSの収益について、Amazon.comの財務報告においてクラウド事業の収益を分離して報告していないため、実際のAWSだけの収益については、さまざまなアナリストが分析、予測をしています。
その中で、最近の情報では、AWSの収益の伸びがIT業界史上最速の成長を遂げていると。Bloomberg BusinessWeek誌でAshlee Vance氏が報告してます。その根拠は、毎年財務報告で記載されている、「その他」の項目(おおかたがAWSによる売り上げだろう、と考えられています)で、その数字の推移によると、AWSの売り上げは、2014年末には50億ドルに達すると予測されています(Pacific Crest Researchの予測)。
これは、VMWareの売り上げである52億ドルとほぼ同等であり、また、来年にはVMWareを超え、2年間で売り上げを倍に伸ばすスピードで成長していくということを意味しています。
上記のグラフにも示されていますが、この成長スピード、他のITベンダー大手の創業時からの成長と比較して極端に大きく、いかにAWSが市場を席巻する事業であるかがわかります(実は、グラフを見ると、Googleはさらに伸び率が大きいが、これは売り上げの大部分が広告事業であるため、純粋なIT企業としては評価しにくいと判断してます)。
GartnerのLydia Leong氏などの分析によると「Magic Quadrant for Cloud Infrastructure as a Service」で、AWSは、残り14社のIaaSリソース許容量全体合計の5倍以上を保有している、というまさにダントツの地位を築いています。
同じレポートで、AWSに対する評価として強調されているのは、「AWSが最も広い範囲のサービスを提供していて、なおかつ技術パートナーのエコシステムが突出して大きい」という点です。これはまさに、イノベーションを大きな事業の柱として、新しいサービスをベータ版であろうともどんどん出していく戦略的事業が市場に受け入れられているという解釈が成り立つ根拠だと言えます。