「Ubuntu」リリース10周年--その功績を振り返る - (page 2)

Jack Wallen (Special to TechRepublic) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2014-11-05 06:30

 簡単に言えば、UbuntuはLinuxがLinuxであることを簡単にした。批判する人たちの声がどれほど大きくても、Ubuntuが他のどのディストリビューションよりもLinuxデスクトップを前進させたことは否定できないはずだ。

 特に批判の的となっていることの1つがUnityだ。これほど賛否の分かれるLinuxデスクトップは過去になかった。Unityに対してどのような立場を取るにしても、Linuxコミュニティーが斬新なデスクトップを生み出してイノベーションの世界的なリーダーになり得るということを、Unityが実に長い道のり歩んで示してきたことは否定できないだろう。

 筆者は自分が初めてUbuntuのディスク(LinuxやフリーソフトのCDを販売していたCheapbytesを覚えているだろうか)と最初のUbuntu Tシャツを注文して、受け取ったときのことを覚えている。当時、すでに長い間Linuxを使っていたが、有料の商品を買おうという気になったのはそれが初めてだった。それは、お気に入りのバンドを追いかけ、最新のCDやコンサートTシャツを欲しがるような気分だった。

 Linuxは少しロックになった。Ubuntuは自信たっぷりだった。Ubuntu以外のディストリビューションには、そんなことはできなかった。

 Ubuntuは完璧か?答えはノーだ。UbuntuはWindowsから大衆を奪い取ったか?ノーだ。Ubuntuはクリティカルマスに到達したか?それにはほど遠い。Ubuntuの前途にある道のりはまだ長い。しかし、他のどのディストリビューションよりも勢いがあり、遠くまで行ける可能性がある。Ubuntuのユーザーやファンでない人も、このディストリビューションがサーバ市場やデスクトップ市場にLinuxの入る余地を作ってくれたことや、大衆の意見を変えたことには感謝すべきだ。

 10周年おめでとう。20周年になったときに、またこうしてどれだけ進化したかを振り返るのが待ち遠しい。ブラボー!

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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