ARMサーバは、その消費電力の低さからサーバルームに置かれるようになって久しく、最近ではデータセンターでも使われるようになってきている。Applied Micro CircuitsやAdvanced Micro Devices(AMD)、Caviumといった数多くのARMベンダーがこのトレンドを推し進めてきているものの、大手のARMチップメーカーであり、「Snapdragon」の設計、製造を手がけるQualcommはサーバ市場に足を踏み入れていなかった。今日まではだ。
複数の報道によると、QualcommがARMサーバ向けのプロセッサを近々提供するとの発表が最高経営責任者(CEO)Steve Mollenkopf氏によってなされたという。
ただし、Mollenkopf氏が述べた「具体的な」内容は、Qualcommがデータセンター向けの低消費電力チップを開発中だということのみだ。同社の売上高が2014会計年度に6.5%の増加にとどまり、2013年の約30%増という成長率と比べるとふるわなかった点を考えると、モバイル市場だけにとらわれず、成長の続くデータセンター市場やサーバ市場に参入する必要性を同社の幹部らが感じたとの推測も成り立つ。
データセンター市場は、スマートフォンやタブレットといった市場に比べると地味かもしれないが、クラウド分野の成長によって、ハイエンドでありながらも低価格なサーバに対する需要が増えてきている。その結果、ARMベンダーらは、データセンター向けチップメーカーの最大手であるIntelに挑戦するチャンスを手にすることになる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。