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CA World'14

ドレスレンタルもオーダーメイドハイヒールもアプリが主役--“アプリ経済”の開拓者たち

鈴木恭子

2014-11-20 16:46

 すべての企業はソフトウェア企業だ――。

 米CA Technologiesの年次コンファレンス「CA World'14」(米国時間11月9~12日にネバダ州ラスベガスで開催)で同社最高経営責任者(CEO)のMichael Gregoire氏は、「今後はアプリケーションがビジネスのイニシアチブを握る『アプリケーションエコノミー』が主流になる」と聴衆に訴えた。

 それでは、実際に「アプリケーションエコノミー」を具現化している企業は、どのようにアプリを活用し、自社製品(サービス)を顧客に提供しているのか。今回のコンファレンスで示された事例を中心に紹介したい。

アイデアをアジャイルですぐにカタチにするRent The Runway

 Rent The Runwayは、デザイナードレスやアクセサリーをオンラインでレンタルできるサイトである。ソフトウェア企業とは縁もゆかりもない同社だが、提供するソフトウェアやアプリは、すべて自社開発しているという。

 その理由について、同社の創業者兼CEOであるJennifer Hyman氏は、「ドレスレンタルのアイデアを思いついたとき、そのアイデアを具現化できるソフトが存在しなかった。レンタルドレスサービスを手掛ける会社は数多くあったので、自分たちのアイデアをすぐに形にしたかった」と語る。

基調講演のパネルディスカッションに登壇したRent The Runway創業者兼CEOのJennifer Hyman氏(中央)
基調講演のパネルディスカッションに登壇したRent The Runway創業者兼CEOのJennifer Hyman氏(中央)

 Rent The Runwayのサービス開始は2009年。以来、会員数は順調に伸びており、2014年中には300万人に達する見込みだ。会員登録料は無料で、ドレスのレンタル料金は、定価の10~30%程度。4日間もしくは8日間レンタルできる。例えば、定価1895ドルのVERSACEの最新ドレスは80ドル、定価2750ドルのChanelのバッグは300ドルでレンタル可能だ。

 Hyman氏は起業の動機について、「ユーザーは“モノを所有する”から“サービスとして活用する”方向に向かっていると感じた。(米国人は)購入した洋服の50~60%は3回以下しか着ないとのデータもあり、商機はあると確信した」と語る。

 他社との差別化ポイントとしては、「われわれのサイトには、レンタルドレスを着用した顧客が、自身の写真や体型データを投稿するページがある。これが他社との大きな違いだ。同ページには身長や体重、体型(鳩胸か筋肉質か下半身安定型など)を書き込む欄があり、同欄がそのドレスをレンタルするか考えている顧客の重要な参考情報になっている」と説明する。

 同社はアジャイル開発手法を取り入れ、複雑化する予約システムや機能追加に迅速に対応できる環境を整えている。先述の投稿ページはSNSのような役割を果たしており、「当初の想定よりもかなりPV(ページビュー)が多い」(Hyman氏)とのことだ。

 また、常に新アイテムが追加されることから、「データベース強化とアプリのUI(ユーザーインターフェース)改善、さらに決済システムとの連携、セキュリティ強化など、やるべきことは多岐に渡る。“アジャイル開発マインド”がないとビジネスは回らない」(Hyman氏)という。

 同社はデザイナーやリテイラーにもレンタル状況のデータを共有し、売れ筋商品を可視化することで、新ドレスのデザインや製品開発を支援している。Hyman氏は「こうしたパートナーとの協業もソフトウェアがなければ考えられなかった。実際、顧客のほぼ半数はアプリ経由でアクセスしてくる。アプリがわれわれのビジネスを成功に導いたと言えるだろう」と語っている。

Rent The Runwayのウェブサイト。デザイナー別、価格別、シーン別などでも並び替えられるほか、実際にドレスをレンタルした顧客のスナップショットも見ることができる
Rent The Runwayのウェブサイト。デザイナー別、価格別、シーン別などでも並び替えられるほか、実際にドレスをレンタルした顧客のスナップショットも見ることができる

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