Hagerman氏は前職で米Symantecのデータセンター管理事業部門の責任者を務め、業績アップに大きく貢献。2012年9月にSophosのCEOに就任した。言動の堅実ぶりはセキュリティ市場を熟知しているからこそともいえそうだ。Sophosの“成長請負人”ともいえる同氏が、自らの経験をもとに今後の飛躍に向けてどのような経営手腕を発揮するか、注目しておきたい。
「インターネットの進化は“IoE”によって第4段階を迎えている」 (米Cisco Systems Wim Elfrink エグゼクティブバイスプレジデント)
米Cisco SystemsのWim Elfrink エグゼクティブバイスプレジデント
シスコシステムズが先ごろ、米国本社のインダストリーソリューション部門エグゼクティブバイスプレジデントであるWim Elfrink(ウィム・エルフリンク)氏の来日に合わせ、同社が提唱するIoE(Internet of Everything)に関する記者会見を開いた。CiscoにおけるIoEへの取り組みの統括責任者でもある同氏の冒頭の発言は、その会見で、インターネットの進化におけるIoEの位置付けについて語ったものである。
「インターネットですべてをつなぐ」ことを意味するIoEは、数年前から使われている「あらゆるモノがインターネットにつながる」ことを意味するIoT(Internet of Things)を拡張した考え方だ。IoEの考え方には、機器やモノがインターネットにつながるだけでなく、人と人がつながる手段の拡大、必要な情報を必要なタイミングで人やモノに提供するプロセス、意思決定を加速するためのデータの活用なども含まれている。
Elfrink氏によると、インターネットの進化は「メールや検索による情報アクセスのデジタル化」に始まり、「電子商取引やコラボレーションによる業務プロセスのデジタル化」を経て、現在は「ソーシャルやモビリティ、クラウドによって臨場感に満ちた体験を可能にしたインタラクションのデジタル化」の段階にある。そして、これから第4段階となるIoEの世界を迎えるという。
続けて同氏は、Ciscoの試算によるIoEのインパクトを次のように説明した。
「IoEをベースとするソリューションが今後10年間で世界全体にもたらす経済価値は、19兆ドル規模に達すると予測される。このうち日本では、モノづくり分野で2480億ドル、公共分野で1090億ドルなど、合わせて8700億ドルの経済価値が見込まれる」
その上で、「IoEのもたらす価値を最大限に引き出すためには、力強いエコシステムや垂直ソリューションの開発が基盤として不可欠になる」と強調した。
こうした状況を踏まえ、Ciscoでは「Cisco Internet of Everything Innovation Center Tokyo」を開設。同施設はパートナー企業が新たなソリューションの可能性を追求していくためのあらゆる設備を備えた「Living Lab」としてCiscoが世界各地に設けているもので、東京が7都市目となるという。
こうした施設を活用しながら、Elfrink氏の言うように、CiscoがIoEの世界に向けてどのような力強いエコシステムをつくり上げていくか、注目したい。