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「コンピューティングの父」A・チューリング氏--人工知能の未来とその限界 - (page 2)

Steve Ranger (TechRepublic) 翻訳校正: 川村インターナショナル

2014-12-05 06:00

 「チューリングテストはある意味で人間の思考を形作った。Turing氏には、かなり正確な方法で不明瞭な問題に取り組む才能があった。特定の質問では意味をなさないため、実際的な方法で試してみよう、と同氏は述べた」(Cooper氏)

 Turing氏は事実上、ビクトリア女王時代の室内ゲームを近代科学の一分野に変えた。チューリングテストはさまざまなレベルで批判を受けてきたが、このテストには、「思考」や「知性」が意味することを理解しようと試み、その上でこの人間の概念を機械に応用することは、信じられないほど困難だということ、そして、思考の出現が私たちの近づける限界なのかもしれない、ということも反映されている。

 Cooper氏は次のように指摘する。「そのようなアプローチをとることには、理論的な障壁があるのだろう。知性をテストするアルゴリズムは存在しないのかもしれない。だとすれば、どうすればいいのだろうか。何らかの経験主義的アプローチをとればいいのか」

 確かにTuring氏の研究は現在のコンピューティングの世界に貢献したが、だからといって、アルゴリズムによってあらゆる問題を解決できると同氏が考えていたわけではない。Cooper氏が指摘するように、ビッグデータが人間に代わってあらゆる決断を下してくれるという思い込みには、注意が必要だ。「Turing氏の責任を追求せざるを得ない点は多い。例えば、同氏の研究に対する解釈や、アルゴリズムを至上のものと考える昨今の風潮、さらに、とりわけ大規模組織について考えるときに多くの点で人間の思考が軽んじられていることだ」(Cooper氏)

 Cooper氏は、コンピュータを文脈と切り離すことはできないと言う。コンピュータは世界を変え、これからも人間のあらゆる活動において重要な存在であり続けるだろうが、Turing氏がチューリングテストで認識した人間による入力についても、同じことが言える。

 確かに、人工知能に関するTuring氏の研究は、計算不可能性に関する同氏の研究(標準のデジタルコンピューティングでは解決できない問題を解く方法)ともつながる、とCooper氏は主張する。「Turing氏は発見に取り組んだ20年間を通して、人間が計算する方法のモデル化だけでなく、コンピュータのすることを人間が実際に超越する方法のモデル化にも取り組んだ。驚くべき思考体系だ。だからこそTuring氏は現在も重要な存在である。同氏が考えていた問題は、現在の私たちにとっても問題であり、それらは非常に基本的な意味で、今でも妥当なものだ」(Cooper氏)

 Cooper氏は次のように付け加えた。「標準のコンピュテーションモデルは、インターネットで起きていること、人間の思考や量子レベルで起きていることを説明できるほど包括的なものではない、という考えにわれわれはまだ慣れていない。将来のある時点で、その考えを受け入れなければならないだろう」

 「これはTuring氏の革命が今も進行していることを示しているように感じられる。それは、現在の人々が問題について考える方法の非常に大きな部分を占めている」(Cooper氏)

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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