クラウド総研は12月22日、国内クラウド市場調査の第3弾として、「企業のパブリッククラウドに関するブランド別利用実態・意識調査」についての調査結果を発表した。
クラウド総研は、アイレットが運営するcloudpackが立ち上げた国内クラウド市場における企業ユーザー動向を定期的に調査、発信していく調査機関。今回の調査では、自社のICT投資額を把握しICTに関して決済権を持つ役職である全国1000人の20~60代の男女に対し、「企業のパブリック・クラウドに関するブランド別利用実態・意識」について、2014年7月~9月にインターネットによる調査を実施した。主な結果は以下の通り。
2014年7月~9月時点での各クラウドサービスの利用実態・利用検討状況(クラウド総研提供)
2014年7月~9月時点での各クラウドサービスの利用実態・利用検討状況を見ると、「Windows Azure」28.4%、「Google App Engine/Google Compute Engine」24.7%、「Amazon Web Services(AWS)」11.2%、「その他サービス」が42.6%などとなっている。
各クラウドサービスへの初期投資額(クラウド総研提供)
各クラウドサービスへの初期投資額を見ると、AWSは「初期投資なし」が24.3%で最も高く、次いで「50万円未満」20.0%、「300~500万円未満」14.3%。Windows Azureは、「50万円未満」が21.5%で最も高く、次いで「500~1000万円未満」14.7%、「初期投資なし」13.0%となった。Google App Engine/Google Compute Engineでは、「初期投資なし」が29.2%で最も高く、次いで「50万円未満」24.7%、「100~300万円未満」10.4%だった。
各クラウドサービスに対する月ごとの投資額(クラウド総研提供)
各クラウドサービスに対する月ごとの投資額を見ると、AWSは「5万円未満」が30.0%で最も高く、次いで「5~10万円未満」17.1%、「50~80万円未満」11.4%、「100~200万円未満」11.4%となった。Windows Azureでは「5万円未満」が20.3%で最も高く、次いで「5~10万円未満」16.4%、「30~50万円未満」15.8%。Google App Engine/Google Compute Engineは、「5万円未満」が46.1%で最も高く、次いで「5~10万円未満」13.0%、「10~30万円未満」9.7%、「30~50万円未満」9.7%となっている。
各サービスに対する利用用途(クラウド総研提供)
各サービスに対する利用用途を比較すると、AWSでは「WEBシステム」が55.7%で最も高く、「ストレージ」が48.6%でそれに続く。Windows Azureでは「WEBシステム」が58.8%で最も高く、次いで「ストレージ」44.6%。Google App Engine/Google Compute Engineは、「ストレージ」と「WEBシステム」が、それぞれ48.1%となった。
各クラウドベンダーに対する主なイメージは以下の通り。
- AWS 「規模が大きい」25.3%、「先進的」13.8%
- Windows Azure 「規模が大きい」27.9%、「専門知識がある」16.4%
- Google App Engine/Google Compute Engine 「規模が大きい」24.3%、「先進的」14.8%
- NIFTY Cloud 「規模が大きい」10.1%、「専門知識がある」7.9%、「クオリティが高い」7.9%
- IIJクラウドソリューション 「専門知識がある」8.3%、「実績(事例数)が少ない」6.8%
- GMOクラウド 「実績(事例数)が少ない」9.1%、「専門知識がある」6.7%
- さくらのクラウド 「実績(事例数)が少ない」8.8%、「安い」8.3%
- IDCフロンティアクラウド 「実績(事例数)が少ない」8.7%、「高い」5.7%
クラウドインテグレーターを選ぶ際に重視するポイント(クラウド総研提供)
クラウドインテグレーターを選ぶ際に重視するポイントについて、全体では、「サポートする技術や知識の幅広さ」が41.3%で最も高く、次いで「知識・ノウハウの豊富さ」36.9%、「わかりやすい料金体系」35.9%となった。