Mozilla:不確かな未来
この3年間、Mozillaは経済的に裕福だった。Googleとの検索契約により、Mozillaはこの3年間、同社から年額3億ドルを受け取ってきたからだ。
そのGoogleとの契約は、11月に満了した。契約満了の直前、Mozillaは検索に関してYahooと5年間の提携契約を新たに締結したことを発表したが(米国のみ)、具体的な条件を決して明かそうとはしなかった。Mozillaのバランスシートを見ると、同団体の長期的な見通しについて、いくつかの疑問が浮かんでくる。Mozillaが独自の「Firefox OS」で、より積極的にモバイル分野に進出しようとしていることを考えると、特にそうだ。
2014年はMozillaにとって良い年ではなかった。3月には、Firefox担当バイスプレジデントであるJohnathan Nightingale氏が、「Windows 8」の「Metro」インターフェース向けにタッチ対応Firefoxを構築するという、時間とコストのかかる開発作業を中止すると発表した。同月、共同創設者のBrendan Eich氏が最高経営責任者(CEO)に就任したが、政治献金で物議を醸したことを受けて、2週間もたたないうちに辞任した。
注目に値することは、ほかにもいくつかある。Googleとの契約満了の直後、Mozillaはランディングページで寄付金の受付を開始した。
その動き自体は悪いことではないが、契約満了の直後というタイミングは、Yahooとの提携だけでは、Mozillaが大きな夢を追求するのに必要な資金をまかなえないことを示唆している。Mozillaが12月初頭、「iOS」版Firefoxの開発を再開する意向を発表して人々を驚かせたことと併せて考えると、特にそういう印象が強くなる。
Safari:Appleの独自ブラウザ
当初、SafariはAppleがIEへの依存から脱却するための手段として、Macで取り入れた。
その後、おもしろいことが起こった。モバイルの重要度が増すにつれて、iOSのモバイル版SafariがMac版Safariより重要な存在になった。Appleがこれまでに販売してきた「iPhone」と「iPad」の台数は「MacBook」と「iMac」をはるかに超えている。そして、モバイルデバイスの販売台数はMacを上回るペースで増加し続けている。
そして、Safariはそれらのモバイルデバイスで実際に使用されている。確かに、「App Store」では(Chromeを含む)サードパーティーのブラウザも提供されているが、それらのブラウザはSafariのレンダリングエンジンとJavaScriptエンジンを使うことを義務づけられている。つまり、Appleはウェブブラウジング体験を完全に支配している。
プライバシー意識がますます高まる世界にとって最もありがたいのは、Safariがデフォルトでサードパーティークッキーをブロックし(これにより、トラッキングの主要な原因を排除できる)、「Do Not Track」(追跡拒否)信号を送信するようにAppleが設定していることだ。
「Opera」:今も何とか持ちこたえている
2014年の数カ月、筆者はOperaをデフォルトのデスクトップブラウザとして使ってみた。この実験の狙いは、「WebKit」レンダリングエンジンをベースとする、独立した代替ブラウザがうまく機能するのかどうかを確認することだった。
全体的に見れば、この実験は完全な失敗ではなかった。新しいOperaには好ましい点も多い。しかし、ブックマークやパスワードの同期機能など、いくつかの重要な機能が未だに搭載されていない。もっと重要なのは、ChromeやSafariでの閲覧に最適化された一部のサイトが不思議なことにOperaでは正常に表示されないことだ。筆者の経験では、Operaのアクセス失敗率は「Internet Explorer 11」よりひどい。
残念なことに、表示が最も乱れるのは、筆者がOperaを使って米ZDNetにアクセスしようとするときに表示されるページだ。特に、米ZDNetのコメントシステムは、Operaではほぼ使用不可能だ。つまり、筆者は別のブラウザを使うか、コメントを読むのを止めるかのいずれかを選択しなければならない。難しい決断だ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。