「セキュリティ問題は一般に開示すべき」--トーバルズ氏が力説

Chris Duckett (ZDNet.com.au) 翻訳校正: 川村インターナショナル 編集部

2015-01-20 12:48

 Linus Torvalds氏はLinux.conf.auでの質疑応答で、セキュリティ問題を一般に開示することの利点を強く信じている、と述べた。

 Torvalds氏はニュージーランドで現地時間1月16日、「Debian」技術委員会の委員長を務めるBdale Garbee氏、「Samba」の作者であるAndrew (Tridge) Tridgell氏、Linuxカーネル開発に貢献したRusty Russell氏とともに壇上に登場。セキュリティは困難な問題であり、一般への情報開示が増えているのは喜ばしいことだ、と述べた。

 「人々は問題を隠しておくのが嫌になることがあって、ベンダーに後は任せる。そうしたベンダーは気の遠くなるような長い時間を経た後で問題を開示する。私は、とりあえず開示してしまうべきだと強く信じている。多少の責任感は必要だが、セキュリティ問題は一般に開示すべきだ。セキュリティ問題について論じても悪党の利益になるだけなので、絶対に避けるべきだ、と主張する人は何十年も前からいたし、今も存在する。実際には、セキュリティ問題は絶対に報告すべきだし、妥当な期間でそれを行うべきだと私は考える」(Torvalds氏)

 「カーネルセキュリティリスト(のタイムフレーム)は5作業日で、それは少し極端だと考えている人がいるのは確かだ。ほかのプロジェクトでは、1カ月か数カ月になることもあるかもしれない。それでも、過去には当たり前だった数年間の沈黙よりはるかにましだ」(同氏)

 Garbee氏は、Linux Foundationコアインフラストラクチャの取り組みのような活動が行われていることを嬉しく思う、と述べた。

 「われわれのインフラストラクチャで最も重要なコード要素の一部と皆が考えていることに対して、より多くの人に関心を持ってもらう方法を考えだそうと、われわれが少なくとも努力していること、そして、われわれの広範なコミュニティーの法人メンバーがそれを実現するために積極的に資金を提供してくれていることは、大変素晴らしいことだ」(Garbee氏)

 セキュリティ情報の公開をめぐっては、Googleのゼロディ攻撃専門のセキュリティチームGoogle Zero Projectが2014年12月から翌1月にかけて、自分たちが発見した「Windows」の脆弱性情報をパッチ発行前に公開し、物議を醸している。Googleの行為に対しては、Microsoftは自社ブログで「脆弱性情報の公開は協力し合う必要がある」との意見を述べている。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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