デスクトップOS分野の最大のライバル:「Windows 7」
デスクトップOSの世界におけるMicrosoftの最大の競合は常に自分自身だ。つまり今回のケースでは、Windows 7をリリースした2009年頃のMicrosoftだ。NetMarketShareの調査によると、Windows 7はデスクトップ市場でいまだに56%のシェアを有している。そして、「Windows XP」(リリースは2001年)のシェアは18%台である一方、Windows 8と「Windows 8.1」を合わせたシェアは約15%となっている点を考えると、Windows 8の実績が分かろうというものだ。
これらの数字が示すように、ビジネスにおけるWindows 10の課題は、Windows 8を超えることではなく、Windows 7を超えることだ。企業が次期バージョンのWindowsをすんなり受け入れてアップグレードをどんどん進めていた時代は、ずいぶん前に終わっている。
Microsoftは、顧客がアップグレードに予算を割くべき理由を、納得できるように説明しなければならない。アプリをPC、タブレット、スマートフォンにまたがって導入することに関心のある顧客もいるだろうが、大部分の顧客が重視するのは今も、スプレッドシート、文書、プレゼンテーションなど、オフィス生産性の根幹をなすアプリだ。
もちろん、Microsoftは1つの製品に依存するような企業ではない。しかし、Windowsは今も極めて重要な製品であり、今回は是が非でも成功させる必要がある。とはいえ、Microsoftに有利な要素も既にいくつかある。
第1に、これまでのところ、Windows 10に対する反応は良好である。第2に、企業はWindowsのバージョンを1つ飛ばして、次のバージョンを導入する傾向があるため、Windows 10への移行が一気に進む可能性もある。さらに、Windows 8が2012年に発売されてから、デバイス市場は再び変化した。かつてはタブレットの爆発的な成長が従来のPC市場とノートPC市場を消滅させると考えられていたが、PCは現在、ある種の復興を享受しているようだ。Windows 10はそれに乗じた絶妙なタイミングで登場するかもしれない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。