日本オラクルがExadata新版を提供

怒賀新也 (編集部) 2015年01月30日 07時30分

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 日本オラクルは1月29日、ハードウェアとソフトウェアを組み合わせた垂直統合型システムの最新版「Oracle Exadata Database Machine X5」の提供を国内で開始すると発表した。米国では1月21日に発表したもの。

 InfiniBandを用いたインターコネクトやオールフラッシュストレージ導入によるオンライントランザクション処理(OLTP)性能の強化、インメモリデータベースでのフェールオーバー機能、ハイパーバイザ「Oracle VM」のサポートなどが特徴となっている。

 日本オラクルの代表執行役社長兼最高経営責任者(CEO)を務める杉原博茂氏は「ソフトウェア企業がつくるハードウェア」を強調。5年前のSun Microsystems買収の究極的な意図がこの言葉に表れていると説明した。今後「スーパー・クラウド・システムズ」の冠で、Exadataだけでなく、ExalogicやDatabase Appliance、Recovery Applianceなどをソフトウェアから設計したハードウェアとして市場展開していくという。

 垂直統合型システムではストレージやサーバ、データベース、ハイパーバイザ、アプリケーションといった構成要素を一個所に集めただけになるケースもある中で、Oracleはハードウェアの性能をソフトウェアで引き出すという視点に立ち、差別化していく考えだ。

InfiniBandによるインターコネクトが目玉

 ストレージとサーバ(仮想マシン=VM、OS、データベースを構成)が並ぶ典型的なシステム構成では、ストレージとサーバ間でネットワーク帯域の不足や仮想ドライバのオーバーヘッドなどによる遅延が起きるため、たとえ高速と言われるオールフラッシュストレージを採用したとしても、データベースの高速化に限界があるという。

 Exadata X5では、ストレージとVM間をつなぐインターコネクトとして、高いスループットを持つInfiniBandをベースにした「Exafusion」を新たに採用した。

インターコネクト性能で高密度なデータベースシステムを構成できる
インターコネクト性能で高密度なデータベースシステムを構成できる

 Exadataは以前からInfiniBandを取り入れていたが、データベース間でのデータ送受信時に、ネットワークソフトウェアやカーネルといった層を挟んで処理する必要があった。Exafusionでは、Oracle Databaseのクラスタリング技術「Real Application Clusters(RAC)」をInfiniBand向けに再構成することで改善を図った。

 これにより、InfiniBandが直接ハードウェアにアクセスできるようになったため、レイテンシが小さくなるという。

 また、ExafusionはOracle VMをサポート。InfiniBandは、CPUだけでなくVMやOSといった上位レイヤも理解した上で処理するため、結果としてVMの利用効率が上がり、システムの集約密度を高めることができるとしている。

 ネットワーク帯域も、イーサネットの4~8Gbpsに対し、Exafusionでは80Gbpsと大幅に広い。

 障害検知にもInfiniBandの利点があるという。データベースやストレージに障害が起きた際、通常は監視サーバが確認する。その際、サーバの「生存」を確認するポーリングのやり取りを見るしかないため、障害の発見が遅れることがある。この微妙な時間が、障害復旧の際に「データをどこまで戻せばいいのか」などのポイント設定を複雑にするという。InfiniBandは、サーバの挙動も監視できるため、障害が起きてネットワークからサーバが見えなくなった瞬間に、障害が起きたと直接判断できる。

 日本オラクルの副社長執行役員データベース事業統括の三澤智光氏は「OLTP処理が3倍高速化する。データベースのためのInfiniBandプロトコルだ」と話している。

インメモリでフェールオーバー

 もう1つの新機能は、インメモリデータベースに、フェールオーバーの機能を加えた点だ。インメモリ処理の場合、障害が起きた際にメモリの特性により、メモリ上のデータが消失するリスクがある。消失した場合、数テラといったデータをバックアップシステムから改めてロードするため、復旧に時間が掛かるという。

 新機能「In-Memory Fault Tolerance」では、1つのノード上のデータを別のノードにコピーして保持する。ノードに障害が発生した際は、別のノードに複製しておいたデータでフェールオーバーできるため、利用企業はデータベースの稼働を止めなくて済む。

フェールオーバーできるインメモリデータベースへ
フェールオーバーできるインメモリデータベースへ

 三澤氏はサーバ機について「以前はバックプレーンの性能が語られたが、今は汎用的なハードウェアを優れたインターコネクトでつなぐ方法が流行になってきている」と指摘する。

 「Exadataは基本的に(処理量に応じてサーバ台数を増やす)スケールアウト型のアーキテクチャだが、InfiniBandなどを用いて遅延が少なくなれば、スケールアップ型のコンピュータであるSMPが得意とするようなワークロードにも利用できるようになる」(三澤氏)

 Exadata Database Machine X5の税別価格は2390万円から。オールフラッシュ構成の場合は1億2000万円からとしている。

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