モバイルアイアン・ジャパンは、パブリッククラウド、パーソナルクラウドを活用する際、セキュアにドキュメントなどのコンテンツを利用するための新製品「MobileIron Contents Security Service(CSS)」を発表した。
モバイルアイアンが提供するモバイルコンテンツ管理(Mobile ContentManagement:MCM)製品「Docs@Work」アプリケーションを利用しているユーザー同士であれば、異なるレポジトリであっても同一のポリシーでドキュメントを利用することができる。
企業のシステム内であれば同一のポリシーでドキュメントなどのコンテンツ管理や運用が可能だったが、パブリッククラウド、パーソナルクラウドなど外部サービスを利用する場合、ポリシーに則ったコンテンツ管理が難しくなる問題に対応する。
モバイルアイアンジャパン アジア太平洋・日本担当 セールスバイスプレジデント 柳下幹生氏
モバイルアイアン・ジャパン アジア太平洋・日本担当セールスバイスプレジデントの柳下幹生氏は、「日本ではまだ、企業での個人用デバイスの使用(BYOD)が本格的には進んでいないが、米国ではBYOD普及により個人で利用してきたDropboxのようなパーソナルクラウドを仕事で活用したいという声も高まっている。CSSはその際にもセキュアな環境を提供する。日本では仕事にパーソナルクラウドを活用するケースはまだ少ないことから、パブリッククラウドを利用する際のセキュアなコンテンツ管理のためのサービスとしてアピールしていきたい」と説明している。
正式な提供開始は2月25日からを予定しており、日本での価格は現段階では未公表だが、海外では1ユーザーあたり、年48ドルで提供している。
CSSは、クラウドを利用する際に発生する「企業システムの外で、どうポリシー管理、運用を実現するのか」という課題に対応したソリューション。
「企業内で利用しているコンテンツは、例えば電子カタログの値段表については、自動的に3カ月ごとに更新を行うことや、機密性の高い内容のものについては一定期間で消去するといったポリシーのもとに利用していくことができる。しかし、そこに外部のクラウドが入ると、ポリシーに則った管理ができなくなる。新製品は、外部のクラウドを活用した場合でも同一ポリシーに則った運用、管理ができる」(柳下氏)
主な機能は以下の通り。
- 暗号化と鍵管理により、仕事用のドキュメントを個人向けクラウドに保存する際、それを暗号化し、企業が不正な使用を防ぐためのポリシー設定を可能とする。
- 情報漏えい防止(DLP)コントロール機能により、企業がドキュメントの有効期限ポリシーを設定し、デバイス上の特定のドキュメントを選択的に消去することができる。また、これらのドキュメントのアップロード、ダウンロード、編集、共有をコントロールすることも可能で、30日ごとに価格リストを更新する必要がある場合、CSSは有効期限の切れたドキュメントをデバイスから消去し、新しいドキュメントで更新することができる。
- 従業員は、各パーソナルクラウドアプリから提供された共有機能を利用して、CSSによってセキュリティが確保された業務用ドキュメントを他の従業員と共有することができる。これらのドキュメントは、共有時にも暗号化されているため、許可されたデバイス上の許可されたユーザーだけが、その暗号を解読可能となる。
- アクティビティ追跡機能は、どの業務用ドキュメントに、いつ、誰が、どのデバイスでアクセスしたかが明らかにすることができる機能。ポリシーの順守状態も追跡し、組織のコンプライアンス戦略をサポートする。
- MobileIron EMMプラットフォームと統合されるため、組織全体でユーザー、グループ、デバイスの一貫した見え方を維持することができる。CSSはiOSおよびAndroid上のMobileIron Docs@Workアプリに統合され、デバイス上のコンテンツセキュリティポリシーを強化する。
デモ画面
デモ画面
デモ画面
モバイルアイアンは2014年に日本法人を設立し、10月にDocs@Workを発表。この製品を、パーソナルクラウドをセキュアな業務利用のための第一弾製品と位置づけている。今回のCSSはその第二弾で、今後はパートナーとの協業によって実現するモバイルデバイスではなく、自分のPCからコンテンツを見るといったニーズに対応したソリューションを提供していくことを計画している。